フェアな商品を決めるのは誰?
すそ野が広がり、様々な場所でフェアトレード商品が扱われると、心配な点もあります。それは「これって、本当にフェアトレード?」という疑問が湧いてきたら、どうすればいいのかということ。「これは有機栽培のオーガニックコットンで作られていますよ。途上国とのフェアな取引で生まれました。」
と言われれたら、それが本当かどうかを確かめる術は買う側にはありませんよね。それを見極めるための目安の1つになるのが、次の2つのマークです。
簡単にいえば、FLOマークは商品の、IFAT認証マークは団体の信頼性を保証していることになるわけです。
ただし、NGOが支援地域から仕入れている物や、生協などが独自のルートで共同購入している商品には、こういったマークは付いていません。このマークは認証機関のマークで、信頼の1つの目安だと考えてください。これがないから信頼できないということでは決してありません。そこのところは、絶対に間違えないでくださいね。
フェアな価格と継続的な取り引きを維持する仕組みは?
フェアトレードのチョコレート。冬期限定で各ショップに置かれている。添加物などを余分なものが使用されていないので、美味! カカオ本来の味が楽しめるとファンが多い。 |
フェアトレードの定番、コーヒー豆を例にとってみましょう。コーヒー豆は安定した需要が見込まれ、継続的な取り引きが期待できる一方で、先物取引市場で売買される相場商品でもあることから、価格が大きく変動するリスクもあります。相場価格が下落すれば、生産者の生活は大打撃! フェアトレードの目指す生産者の自立が難しくなってしまいかねません。
そういったリスクを避けるために、フェアトレードは相場に関わらず最低価格を保証する、さらには代金前払いや長期的な売買契約を結ぶなど、生産者に有利な条件を採り入れています。生産者はそれによって、安定的な収入を得て、将来に備えた計画的な生産もできるようになるというわけです。また、取り引きする側も「フェアトレード」という一種のブランドで販売することで、他との商品との差別化することができるメリットがあります。
言葉にすると、簡単に聞こえるかもしれませんが、時間も費用もかかるシステムですから、利益を重視する企業にとっては、フェアトレード商品に取り組むことは、目に見える“うまみ”が少ないことも事実です。特に日本では認知度も高いとは言い難いですから、そんな中で、大手企業が本格的に参入していることは、社会貢献度の高い“ボランティアな企業”であると評価できるポイントになりますね。