異国情緒あふれる横浜・山手西洋館を歩く

春と秋のバラの季節は一層にぎわう山手西洋館界隈。画像は横浜市イギリス館前のローズガーデン(2018年5月11日撮影)

春と秋のバラの季節は一層にぎわう山手西洋館界隈。画像は横浜市イギリス館前のローズガーデン(2018年5月11日撮影)


横浜観光の超定番といえば、山手の西洋館めぐり。横浜ガイドがおすすめするのは、みなとみらい線元町・中華街駅をスタートし、JR石川町駅までの約2kmを歩くコースです。クラシカルな雰囲気のカフェやレストランでひと休みしながら、入館無料の西洋館をめぐりましょう。
 

山手西洋館めぐりの注意点とは?

なだらかなアップダウンが続く山手本通り(2019年9月19日撮影)

なだらかなアップダウンが続く山手本通り(2019年9月19日撮影)


山手エリアは、横浜が開港した当時、外国人居留地に定められ、大正から昭和初期にかけて外国人が住む洋館が多く建てられました。現在は7つの西洋館が無料で公開されています。「港の見える丘公園エリア」に2館、「元町公園エリア」に3館、「イタリア山庭園」に2館あり、それらを結ぶのは坂道。歩きやすいことはもちろん、ほとんどの洋館は靴を脱いで入館するので、脱ぎ履きしやすい靴で訪れることをおすすめします。
 

西洋館めぐり、どの駅からスタートすればいい?

山手西洋館めぐりのスタート駅は、みなとみらい線 元町・中華街駅JR石川町駅のふたつ。横浜ガイドがおすすめするのは、坂の上までエレベーターであがれる元町・中華街駅をスタートし、JR石川町駅をめざす約2kmのコースです。

では、山手西洋館めぐりに出発!
 

横浜・山手西洋館めぐりおすすめモデルコース(約2km)

みなとみらい線 元町・中華街駅(6番出口)
↓エレベーターもしくはエスカレーター利用
アメリカ山公園
↓徒歩約7分
山手111番館
↓徒歩約2分
横浜市イギリス館
↓徒歩約5分
山手234番館
↓徒歩約1分
エリスマン邸
↓徒歩約1分
ベーリック・ホール
↓徒歩約15分
外交官の家
↓徒歩約2分
ブラフ18番館
↓徒歩約8分
JR石川町駅(元町口)


なお、横浜赤レンガ倉庫から山手へ行く場合は、観光スポット周遊バス「あかいくつ」が便利です。「中華街・元町(C)ルート」利用、約20分で「港の見える丘公園前」に到着します。
横浜赤レンガ倉庫から山手西洋館へのアクセスは「あかいくつ」バスが便利(2014年12月5日撮影)

横浜赤レンガ倉庫から山手西洋館へのアクセスは「あかいくつ」バスが便利(2014年12月5日撮影)


※くわしいルートや時刻表は公式サイトでご確認ください→横浜 観光スポット周遊バス「あかいくつ」
 

港の見える丘公園エリアの西洋館

横浜らしい観光地のひとつ「港の見える丘公園」(2014年5月16日撮影)

横浜らしい観光地のひとつ「港の見える丘公園」(2014年5月16日撮影)


みなとみらい線元町・中華街駅の直上にあるアメリカ山公園を抜け、左に曲がってまっすぐ進むと、「港の見える丘公園」に突き当たります。このエリアには、「山手111番館」と「横浜市イギリス館」があります。5月中旬と10月中旬のバラの季節はローズガーデンが美しく、特に多くの人が訪れます。
 
  • 山手111番館(見る/食べる)
3連アーチの玄関が印象的な山手111番館(2019年5月15日撮影)

3連アーチの玄関が印象的な山手111番館(2019年5月15日撮影)


山手111番館は、1926 (大正15)年にアメリカ人ラフィン氏の住宅として現在地に建てられました。設計者はJ.H.モーガン。3連アーチの玄関と赤い瓦屋根と白壁が印象的な2階建ての建物で、スパニッシュスタイルの意匠になっています。ホールは吹き抜けになっていて、昭和初期のクラシカルな雰囲気が体感できます。
 
「カフェ・ザ・ローズ」側のローズガーデンの様子(2019年5月15日撮影)

「カフェ・ザ・ローズ」側のローズガーデンの様子(2019年5月15日撮影)


隣接するローズガーデンが入口となっている地階部分は「Cafe the Rose(カフェ ザ ローズ)」という喫茶スペースです。ここでしか味わえないオリジナルティー「カフェ・ザ・ローズ オリジナルローズティー」がおすすめ。(営業時間:10:00~17:00)
※くわしくは記事で→朝ドラ「まれ」横浜編で希が食べ歩いたケーキ屋はここ
 
「カフェ・ザ・ローズ」店頭ではローズソフト(400円)の販売も(2015年5月21日撮影)

「カフェ・ザ・ローズ」店頭ではローズソフト(400円)の販売も(2015年5月21日撮影)


住所:横浜市中区山手町111
開館時間:9:30~17:00(7、8月は18:00まで)
定休日:第2水曜日(祝日の場合は開館、翌日休)、年末年始(12月29日~1月3日)
URL:山手111番館
 
  • 横浜市イギリス館(見る)
バラの季節はひときわ美しい横浜市イギリス館(2019年4月5日撮影)

バラの季節はひときわ美しい横浜市イギリス館(2019年4月5日撮影)


山手111番館に隣接する横浜市イギリス館は、1937 (昭和12)年、英国総領事公邸として現在地に建てられました。玄関脇には王冠入りの銘版が、正門脇には銅板(British Consular Residence)がはめこまれており、由緒ある建物である事を示しています。1階ホールはコンサートなどに、2階集会室は会議などに使われていますが、コンサートがない日、2階展示室や復元された寝室などは見学可能。
横浜市イギリス館正門(2018年12月13日撮影)

横浜市イギリス館正門(2018年12月13日撮影)


住所:横浜市中区山手町115-3
開館時間:9:30~17:00(7、8月は18:00まで)
休館日:第4水曜日(祝日の場合は開館、翌日休)、年末年始(12月29日~1月3日)
URL:イギリス館

 

港の見える丘公園エリアの立ち寄りスポット

  • 港の見える丘公園(見る)
1962(昭和37)年に開園した、横浜を代表する観光スポット。その名の通り、横浜の港を一望できます。  
  • 大佛次郎記念館(見る/食べる)
大佛次郎記念館前にも「香りのローズガーデン」が整備されています(2019年5月16日撮影)

大佛次郎記念館前にも「香りのローズガーデン」が整備されています(2019年5月16日撮影)


横浜生まれの作家・大佛次郎(おさらぎ じろう)に関する資料が展示されている記念館。猫好きな大佛次郎が集めた“ネコグッズ”も展示されています。併設のティールーム「霧笛」では、紅茶がおすすめ。(入館有料・ティールームのみの利用は入館無料)
URL:大佛次郎記念館
 
  • 県立神奈川近代文学館(見る/食べる)
1984年(昭和59)に開館した、近代日本文学専門の資料館。夏目漱石、芥川龍之介、泉鏡花など、神奈川ゆかりの作家の雑誌を多く収集しており、常設展、企画展を開催しています(入館有料)。大きな窓から緑が見える喫茶室を併設(展示室のみ有料)。以前、横浜が舞台のマンガ『文豪ストレイドッグス』とタイアップした展覧会を開催(2014年、2015年)し、若い女性の来館者が増えたそうですよ。
URL:県立神奈川近代文学館
 
  • ブラフ99ガーデン(見る)
2014年にオープンした花と緑がいっぱいの広場「ブラフ99ガーデン」(2015年5月21日撮影)

2014年にオープンした花と緑がいっぱいの広場「ブラフ99ガーデン」(2015年5月21日撮影)


アメリカ山公園から港の見える丘公園に向かう道沿いに2014年4月にオープンした緑の広場。港の見える丘公園の拡張区域として、山手の洋館の前庭をイメージしてバラや宿根草、樹木が植えられており、1年を通して花や緑が楽しめます。入園自由。
 

元町公園エリアの西洋館

山手234番館の向かい側にはレトロな電話ボックスがあります(2019年4月5日撮影)

山手234番館の向かい側にはレトロな電話ボックスがあります(2019年4月5日撮影)


前ページの「港の見える丘公園エリア」から徒歩約5分。岩崎ミュージアム、横浜外国人墓地、レストラン・山手十番館、山手資料館、山手聖公会の建物を見ながら歩いて行くと、元町公園周辺に到着します。ここには、「山手234番館」「エリスマン邸」「ベーリック・ホール」の3つの洋館があります。
 
  • 山手234番館(見る)
当時は珍しいアパートメントハウスとして建てられた山手234番館(2015年12月10日撮影)

当時は珍しいアパートメントハウスとして建てられた山手234番館(2015年12月10日撮影)


山手234番館は、1927 (昭和2)年ごろ、外国人向けの共同住宅(アパートメントハウス)として現在の場所に建設されました。設計者は、隣りにあるカフェ「えの木てい」と同じ朝香吉蔵。米軍による接収を経て、昭和50年代ごろまで共同住宅として使用されていましたが、1999(平成11)年から一般公開されています。1階にはリビングなどの部屋が再現されており、山手地区のパネル展示なども行われています。2階は貸出しスペースとなっています。

住所:横浜市中区山手町234-1
開館時間:9:30~17:00(7、8月は18:00まで)
休館日:第4水曜日(祝日の場合は開館、翌日休)、年末年始(12月29日~1月3日)
URL:山手234番館
 
  • エリスマン邸(見る)
緑に囲まれたエリスマン邸(2019年4月5日撮影)

緑に囲まれたエリスマン邸(2019年4月5日撮影)


エリスマン邸は、生糸貿易商社シーベルヘグナー商会の横浜支配人フリッツ・エリスマン氏の邸宅として、1925(大正14)年から1926(大正15)年にかけて山手町127番地に建てられました。一度は解体されたものの、1990(平成2)年、現在の元町公園内に再現されました。設計は「現代建築の父」といわれるチェコ出身の建築家A・レーモンド。館内のイスやテーブルなどの家具もレーモンドの設計で、庭が眺められるサンルームが特徴。

※2019年11月より工事予定のため、全館休館となります。

住所:横浜市中区元町1-77-4
開館時間:9:30~17:00(7、8月は18:00まで)
休館日:第2水曜日(祝日の場合は開館、翌日休)、年末年始(12月29日~1月3日)
URL:エリスマン邸
 
  • ベーリック・ホール(見る)
山手西洋館で最大規模のベーリック・ホール。パームルームや子ども部屋、婦人の部屋など、見どころが満載(2018年12月13日撮影)

山手西洋館で最大規模のベーリック・ホール。パームルームや子ども部屋、婦人の部屋など、見どころが満載(2018年12月13日撮影)


ベーリック・ホールは、イギリス人貿易商B.R.ベリック氏の邸宅として、1930(昭和5)年、アメリカ人建築家J.H.モーガンにより設計されました。2000年まで、セント・ジョセフ・インターナショナル・スクールの寄宿舎として使用されており、現存する戦前の山手外国人住宅の中では、最大規模の建物です。スパニッシュスタイルを基調とし、イスラム様式、フレスコ技法など、多様な建築技法が使われているのが特徴です。
四葉のクローバーのようなクワットレフォイルと呼ばれる小窓に注目(2018年12月13日撮影)

四葉のクローバーのようなクワットレフォイルと呼ばれる小窓に注目(2018年12月13日撮影)


住所:横浜市中区山手町72
開館時間:9:30~17:00(7、8月は18:00まで)
休館日:第2水曜日(祝日の場合は開館、翌日休)、年末年始(12月29日~1月3日)
URL:ベーリック・ホール

 

元町公園エリアの立ち寄りスポット

  • 元町公園(見る)
緑豊かな元町公園。春はサクラが咲き誇ります(2014年4月1日撮影)

緑豊かな元町公園。春はサクラが咲き誇ります(2014年4月1日撮影)


エリスマン邸と外国人墓地の裏側にある、歴史ある公園。開港当時、フランス人ジェラールが、ここから沸き出る水を飲料用水として発売していた場所で、「ジェラール水屋敷」「ジェラールの瓦とレンガ」に関するパネルが設置されています。プールと弓道場があります。サクラの名所でもあり、約100本のサクラが公園を覆うように咲き誇ります。  
 
  • えの木てい(食べる)
1927(昭和2)年に建てられた洋館を利用したティールーム。アンティーク家具や暖炉などがあり、山手の雰囲気を感じることができます。看板メニューのひとつ、チェリーサンドはおみやげにも最適。
URL:えの木てい
 
  • ブリキのおもちゃ博物館(見る/買う)
ブリキのおもちゃコレクターの第一人者・北原照久氏が館長を務める博物館。1890年代から1960年代にかけて主に日本で製造されたおもちゃ約3000点が常時展示されています(入館有料)。TOYS CLUB、Christmas Toys(いずれもショップ)を併設。
URL:ブリキのおもちゃ博物館
 
  • 山手資料館(見る)
1909(明治42)年に建てられた木造建築の洋館。1977(昭和52)年に現在地に移築され、開港当時のようすがわかる資料館として公開されています(入館有料)。
 
  • 山手十番館レストラン&カフェ(食べる)
1967(昭和42)年にオープンした歴史あるレストラン。1階はカフェ、2階はレストランになっています。2015年11月にリニューアルし、メニューが一新。2階のダイニングではコース料理が、1階のカフェではプリンアラモードなどのデザートが楽しめます。6月からは、夏季限定でビアガーデンもスタート。
URL:山手十番館
 
  • 外国人墓地(見る)
ペリーとともに日本にやってきた水兵・ロバート・ウィリアムズを埋葬したのがはじまり。日本の西洋化へ尽力した多くの外国人が埋葬されています。墓地内は通常非公開となっていますが、3月~12月までの毎週土・日・祭日(雨天を除く)の12:00~16:00まで募金公開が行われています。
URL:外国人墓地
 
  • 岩崎ミュージアム(見る/食べる)
1885(明治18)年に建てられた商業劇場ゲーテ座の跡地に建つ博物館。服飾にまつわる展示やギャラリーでの企画展が鑑賞できます。このほか、アンティークドレスを着て記念撮影(有料)することも。コンサートが開かれる「山手ゲーテ座ホール」と「カフェ アナーキーママ」を併設。(入館有料)
URL:岩崎ミュージアム

 

イタリア山庭園エリアの西洋館

元町公園エリアから徒歩約15分、フェリス女学院やカトリック山手教会の前を通り過ぎながら山手本通りをどんどん進むと、イタリア山庭園に到着します。イタリア山庭園は水や花壇を幾何学的に配したデザインの公園で、四季折々美しい草花が楽しめます。庭園内には「外交官の家」「ブラフ18番館」の2つの洋館があります。
 
  • 外交官の家(見る/食べる)
幾何学模様の洋風庭園が美しい、外交官の家(2017年4月7日撮影)

幾何学模様の洋風庭園が美しい、外交官の家(2017年4月7日撮影)


イタリア山庭園の中にある洋館で、国指定重要文化財。明治時代、外交官だった内田定槌の邸宅として、1910(明治43)年に東京都渋谷区南平台に建てられました。1997年、山手イタリア山庭園に移築復元、一般公開されました。設計者はアメリカ人建築家・J.M.ガーディナー。アメリカン・ビィクトリアン洋式を取りいれた華やかな装飾が特徴です。室内はアール・ヌーボー調の家具などが再現され、当時の外交官の暮らしぶりがうかがえます。

併設の喫茶室「BLUFF Garden Cafe」では、みなとみらいと庭園が一望できるロケーションでお茶や食事が楽しめます。(営業時間:10:00~16:00)

住所:横浜市中区山手町16
開館時間:9:30~17:00(7、8月は18:00まで)
休館日:第4水曜日(祝日の場合は開館、翌日休)、年末年始(12月29日~1月3日)
URL:外交官の家
 
  • ブラフ18番館(見る)
フランス瓦の赤い屋根とグリーンの窓が印象的な、ブラフ18番館(2017年4月7日撮影)

フランス瓦の赤い屋根とグリーンの窓が印象的な、ブラフ18番館(2017年4月7日撮影)


関東大震災後に山手町45番地に建てられた外国人住宅で、イタリア山庭園に移築された洋館です。カトリック山手教会の司祭館として、1991年まで使用されていました。館内には、元町で製作されていた当時の横浜家具が復元・展示され、震災復興期(大正末期~昭和初期)の外国人邸宅の暮らしが再現されています。
光あふれるサンルームの窓は引き戸式。和洋折衷スタイルです(2015年12月10日撮影)

光あふれるサンルームの窓は引き戸式。和洋折衷スタイルです(2015年12月10日撮影)


住所:横浜市中区山手町72
開館時間:9:30~17:00(7、8月は18:00まで)
休館日:第2水曜日(祝日の場合は開館、翌日休)、年末年始(12月29日~1月3日)
URL:ブラフ18番館

 

イタリア山庭園エリアの立ち寄りスポット

  • イタリア山庭園(見る)
明治時代にイタリア領事館がおかれたことから「イタリア山」と呼ばれています。ここの庭園は、イタリアで多く見られる庭園様式を模し、水や花壇を幾何学的に配したデザインとなっています。
 
  • 山手公園(見る)
山手公園の管理事務所として利用されている「山手68番館」(2014年4月1日撮影)

山手公園の管理事務所として利用されている「山手68番館」(2014年4月1日撮影)

日本初の洋式庭園。1870(明治3)年に横浜居留外国人によって作られました。ヒマラヤスギの緑に囲まれたテニスコートのほか、テニス発祥記念館があり、入場無料で誰でも見学可能です。春には約30本のサクラが咲く、静かなお花見スポットです。
※くわしくは記事で→横浜・山手公園でしっとりとお花見を

 

山手西洋館では季節が感じられるイベントがいろいろ

10月下旬に行われるハロウィンイベントでは、かわいい仮装をした子どもたちがいっぱい(2015年10月25日撮影)

10月下旬に行われるハロウィンイベントでは、かわいい仮装をした子どもたちがいっぱい(2015年10月25日撮影)

山手西洋館7館では、1年を通して、さまざまなイベントが開催されています。コンサートやワークショップなどのイベントのほか、ハロウィンやクリスマスなど季節が感じられる展示イベントが行われます。公式サイトをチェックしてお出かけください。
12月には各館でクリスマス装飾が施されます。山手111番館の様子(2018年12月13日撮影)

12月には各館でクリスマス装飾が施されます。山手111番館の様子(2018年12月13日撮影)


URL:山手西洋館公式サイト


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