小学校受験には、さまざまな「常識」があります。最も多いのは、「中学受験するより小学校受験の方が親子ともに負担が少なく、将来の受験もなく楽だ」というものです。しかし、私立小学校に子どもを通わせている保護者の話を聞くと、小学校から塾通いをしている人も多いということです。そこで、この常識について検証してみたいと思います。

小学校で受験した方がのびのびできる?

学習院
私立小学校に入学後塾に通う子も多い
子どもの将来を考えた場合に、「小学校で受験してしまえば中学から高校まで、あるいは大学まで受験しなくて済むから、子どもを伸び伸び育てられる」という話をよく耳にします。これは本当でしょうか。

確かに素行に問題がなくて、なおかつ学力も下位に低迷することなく進級していけば、系列学校への進学は高いハードルではありません。しかしながら、そうはならないケースが起こりうることを心に留めておいて下さい。

というのは高校までしかない進学校の場合や、大学附属でも外部へ進学する生徒の多い半進学校では、中学受験で入ってくる生徒との勉強量の差を埋めなくてはなりません。現状では多くの私立小学校の生徒も塾通いしています。受験前に思い描いていた伸び伸びとは程遠いのではないでしょうか。

大多数が系列大学へ進学する小学校は安心できるのでしょうか。日本でも有数の総合大学である日本大学の場合は、高校3年間の成績や、日大統一テストでの成績によって内部進学できる学部・学科が決まります。ここで好成績を修めていないと希望する学部・学科へ進学することができません。内部進学前提の学校でも在学中の成績が進路のポイントになります。さらに中学や高校から入ってくる生徒もいるわけで、新たな競争も起こります。

「将来は家業を継ぐのだから、ブランドのある大学の卒業証書があればそれで良い」と割り切れるのであれば、入学後に遊びすぎてスピンアウトしないように注意していれば済みますが、レアケースでしょう。

結局のところ、「私立小学校に入学したらマイペースに伸び伸び学校生活と家庭学習をしていけば良い」と言う考えは、幻想に近いと言わざるを得ません。

子どもが思春期になってから気づくことがあります。ティーンエイジャーは親の思い通りにならないということです。親が引いたレールの上をきちんと走って行ってくれる保証はありません。親の思惑と違って、芸術や芸能方面にのめり込んだり、そこそこの成績を取るための勉強もしなくなってしまったりということがあります。親子の衝突も起きるでしょう。小学校受験というのは12年後の大学進学、あるいは16年後の大学卒業までのリスクを含んだ進路選択だということを知っておく必要があります。

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