敏感と鈍感
感受性の鋭い敏感な親は子どもが出す微かなサインを見逃さず、早めに手を打つことができます。例えば「今日は疲れているようだから、お勉強はほどほどにして早く寝かせよう」と子どもの負担を軽くします。一方感受性の鈍い鈍感な親は、「今日はできが悪いから、もっとやらせよう」と子どものコンディションを無視して子どもの負担を重くします。場合によっては「なんでちゃんとやらないの!」と叱りつけてしまうことさえあります。
スポーツに例えると、トレーナーとしての役割をきっちりこなせるか、根性論を唱えるわからず屋の監督になるかの違いと言ったらいいでしょうか。主役は子どもなので、小学校の入学試験が楽しいものだと思って受けられるように、環境を整えてやることが親の役目です。
プロセス重視か結果重視か
小学校入学試験では多くの学校でお絵かきや工作が取り入れられています。これは完成した作品の出来が結果を左右するものだと思いますか? もちろんよくできた方がよいに決まっています。しかしながら、たとえ不細工でも一生懸命集中して取り組んだ結果なら、その点を評価してもらえます。反対に完成度の高い作品でも、ふざけながら作ったものだと減点対象になります。それなのに結果重視の親は、家で巧緻性の課題制作をしていて、「どうしてきちんと切れないの!」「色がはみ出しているじゃない!」などと叱ってばかりいます。そうすると、子どもが委縮して伸び伸び一生懸命できなくなってしまいます。幼児教室のペーパーでも点数ばかりに目が行って結果に一喜一憂することになります。
反対にプロセス重視の親ならば、「難しいけど頑張ってハサミを使ったね。ここのところは時間をかけて丁寧に切るともっと良くなるよ」「大胆に色が塗れたね。迫力がある。次は、はじっこの線の内側にだけ塗ってみようね」と励ましながら、向上心を引き出すことができます。
いかがですか? 親の行動パターンは子どもに大きく影響します。例に取り上げたように、「あの親子なら大丈夫よね」と言われる親子の良い点を取り入れて、入試の準備をしていきましょう。
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