第1回に引き続き幼児の受験指導歴24年の杉山先生に、合格に近い親になるためには、どうしたら良いかお聞きします。

子供に目的を意識づけできる親

前回は「自分の子どもを冷静に見目を持つこと」「情報を見極める目を持つこと」「礼儀や常識があること」を挙げていただきました。他にはどのようなことに注意したらいいでしょうか?
(杉山先生、以下同様)子供に受験勉強させるにあたり、目的をある程度でも理解できるよう説明をする親になることが必要でしょう。つまり受験勉強をしているんだということを、子どもに自覚させているという事です。別に「ぎゅうぎゅう詰め込むから覚悟しろ!」と説明することではありません。でも子供ながらに納得していないと、学習意欲も生まれてこないことが多いと感じるからです。

風評に惑わされない親

前回志望校についての情報力ということで少し触れていただきましたが、口コミについてはどのようにお考えですか?
受験期全般を通して、いわゆるガセネタ、風評に惑わされないということが必要です。そのためには「世間一般常識と比べてどうか」という視点が大切です。常識とあまりかけ離れている噂は聞き流しても問題ありません。

一般的に、私立小学校の先生方の入試に関してのお考えは、保守的なように思います。どちらかといえば革新的な事は少なく、各学校の伝統的考え方に拠り所を求めている事が多いように思います。口コミ情報を判断する際には、その点を考慮された方がよいのではないでしょうか。

受験への取り組みを夫婦で理解し合っている親

子供の教育はどうしても母親中心になりがちですが、父親の役割についてはいかがですか?
義務教育の小学校をどうして「受験」するのか、親自身よく考えて、両親で話し合いができて理解しあっているということが、まず大切だと思います。受験勉強の中心は母親でも、「任せているのだから俺は関知しない。」という態度ではなく、いつでもサポートするという姿勢を示し、夫婦で協力することが受験を成功に導く第一歩です。
ここができていないと、面接で夫婦の答えの不一致が面接官に見えてしまうというケースがあります。
夫婦
両親の意識共有が大切

子供の社会性を育てるという自覚を持った親

親があたり前のことをしていれば、子どもはそれをまねるというお話がありましたが、あえてしつけるならどんな点に注意すればいいですか?
朝起きたら「おはようございます」と挨拶をする、食事の際に「いただきます」「ごちそうさま」をするというようなことは当然ですが、例えば電車やバスに乗る際、降りる人を待たずに乗り込んだり、通勤電車内で飲食したり座席を靴の泥で汚すなどの行為を許したりしていませんか。病院や図書館ではどのように振舞わなくてはいけないか、注意されなくても静かにできますか?

「小さい子どもなんだから仕方ない」で済ませず、お子さんが6歳児なりの社会性を身につけさせることが大切じゃないでしょうか。

子どもの話に耳を貸す親

他にこんなケースもあったというこぼれ話がありましたら、お聞かせ願えませんか?
そうですね。とにかく、他人の目を一切気にせず、がむしゃらに受験に向けて突っ走るモーレツタイプな親御さんのお子さんも合格します。

また合格した後に、学校に上がってからのお子さんの家庭を観察すると、お母さんが良く子どもの話を聞いているように思います。学校での出来事とか。それもただ聞きっぱなしではなく、上手く子どもをリードして話を引き出したり、親の価値観を伝えていたり。子どもを信頼しているという雰囲気があります。それが子どもに伝わり自信になっていくのではないでしょうか。

先日、電車で通う新一年生が 『乗り換えの時、お友達と離れて迷子になったけど、駅員さんに案内して貰ったの。』と駅に迎えに来ていたお母さんに報告していた子がいました。困った時に、一年生なりに解決出来る力が備わっていた事に感心しました。

最後に受験を志している保護者の方に一言いただけますか。
御両親も子供が生まれてから『親』としての成長があったはずです。喜び、悩み、戸惑いつつの一生懸命な姿があったことでしょう。『私たちは6年間このような家庭を築いてきました。我が子はここまで成長いたしました。貴校で学ぶ一員としてふさわしいでしょうか?どうぞ見てやってください。』そういう想いを持って、ありのままの姿で試験に臨めるよう毎日を積み重ねていってください。

お話しを伺ってみると、受験する・しないに関わらず子育てに真摯に取り組むことが大切なのだと感じます。ある私立中学校では生徒に「紳士・淑女たれ!」と言っています。家庭教育でも同じことではないでしょうか。そして困った時は自分でなんとか切り抜ける知恵と力を子どもたちに身につけさせてやりたいものです。

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