考える力は習慣から

鉛筆
考える力は書くことで身に付く
教育評論家のはやし浩司氏が「考える力は能力と言うより習慣だ」と教育エッセイ(「子育て格言ママ100賢」山手書房新社)の中で書いている。私自身ガイドの仕事を始めて文章を書くようになってから、以前よりずっと物事を深く考えるようになった。

何かを書くという作業は会話に比べてずっと頭を使うものだ。例えると走り慣れた町中をあたかも自動運転のように無意識に車で走るのと、サーキットをレースカーに乗り、全速力で疾走するのとの違いだろうか。レースでは気を抜いたらクラッシュしてしまうので神経を集中する必要がある。

日常会話は意識しなくても続けることができるが、文を書く時には構成や言い回しを考え、推敲しながら書くだろう。継続的に文章を書くということが、考える習慣を身につける早道と言える。

ところで私立学校にはこうした「書く作業」を通して「考える力」を養う教育を行っているところが少なくない。実例をあげてみよう。

光塩女子学院の日記指導

光塩女子学院は「あなたがたは世の光・・・あなたがたは地の塩」という聖書の言葉が学校名の由来となっているカトリック系の学校だ。系列大学がないため女子の進学校として知られている。

光塩女子学院では小学校から日記指導が始まる。低学年では毎日提出し、担任とのやりとりを通じて内面の成長も助ける。卒業まで継続した日記は、大学ノート数十冊に上ることもあるという。

また、書かれた内容によって生徒の間のトラブルや心の動揺などを担任が知り、早期に対処することができるそうだ。このようにして書くことが習慣になれば、作文などをスラスラ書けるようになるに違いない。結果として記述力やレポートをまとめる力もごく自然に身についていくわけだ。

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