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入試は願書記入から始まっている(2ページ目)

私立小学校においては、入試は願書記入から始まると言っても過言ではない。それは面接において願書に基づいて質問がなされるからだ。

高橋 公英

執筆者:高橋 公英

学習・受験ガイド

自分にとっての1通は何百分の1通でしかない

校門
志望理由は学校案内を丸写しにしない
入学願書を目の前にすると、それがとても大きな存在に思えてくるだろう。しかし見方を変えて学校側から見ると、何百通あるいは何千通の中のたった1通でしかないことに気づく。

「願書をもとに質問される」とはいえ、印象に残るためにはマニュアル本の模範解答を丸写しした志望理由では難しいだろう。例えば「御校の教育理念と家庭の教育方針が一致して」では、どんな点が一致したのか分からない。各学校の建学の理念や校訓をきちんと理解した上で、それを自分の言葉で理解して表現したい。

例えばS学園のモットーとして「従順」「勤勉」「愛徳」ではどうだろうか。「従順」とあるからと「○○(名前)はとても素直で親の言うことを良く聞く子どもです」と書いてしまったらこのモットーを半分しか理解していない。

「従順」は無条件に権威に従うことではない。正しい心を磨くために素直になるということ。カトリックでは従順であるべき対象は「神」だ。他人の言葉に耳を傾け、正しいことには従い誤ったことには立ち向かうことなのだ。

それなら「○○はとても素直な性質ですが、間違ったことが嫌いでルールを破ることには自分を曲げません」とS学園の校訓にふさわしい子どもだということをアピールした方がより印象に残るのではないだろうか。

このように校訓や教育方針をこども達の行動に置き換えて理解することが、出願理由や子どもの長所短所を記入するのに不可欠だとおわかりいただけると思う。

それからぜひ、「この学校でなくては」というポイントを見つけて欲しい。例えば「カトリックならどこでもいい」のではなくて、その中でなぜその学校なのか、をはっきりさせて出願・面接に臨もう。
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