しかしそれが効果的に行われているかどうかは、幼児の特性を理解しているかどうかで違ってきます。お勉強を教える前に、幼児の特性を知ることが重要です。
幼児には実物教育で
4・5歳児にペーパー問題を無理に課すより、数の概念などは実物を使うと理解されやすい |
しかし知能の発達段階を考えると、抽象的な思考ができるようになるのは小学校高学年です。そこまでの抽象性は高くなくても、現実を2次元のペーパーに写した問題を、リアリティを感じることができるほどに4・5歳児の精神は発達していません。
それでも訓練によって実物に置き換えて考えられるようになります。そのためには、まず具体物による具体的事例で学習することが必要です。実物での経験があって、初めてペーパー上で考えることができるのです。
ですからお皿の上にビー玉が載っている絵を見せて、「これから3つ取るといくつ残るでしょう?」という問題でつまずいてしまったら、実際にお皿とビー玉(おはじき、豆など何でも構いません)を用意して実物で教えましょう。
何度かやれば子どもはすぐに理解します。もし実物を使っても理解が進まない時は、その課題に取り組むには月齢が少し足りないと考えてください。これについては後で詳しく述べます。
ペーパーの課題はほとんどの場合は実物で示すことができます。数の加減、一対一対応、水の計量、長さ比べ、重さ比べ、鏡……。手間を惜しまず使えるものを工夫して、実物教育しましょう。親子共に楽しく取り組め、理解も早まります。