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小学校受験に効果的な勉強法は?(2ページ目)

幼児の勉強を小中学生と同じようにやらせていませんか?幼児には幼児に適した指導法があります。

高橋 公英

執筆者:高橋 公英

学習・受験ガイド

個人差を考慮する

子どもは身体の発育の個人差があるように、知能の発達も個人差があります。その上生まれ月による月齢差の影響も大きく出ます。単純に計算しても5歳0ヶ月の子と4歳1ヶ月の子は2割近い月齢差です。同じ学年にこれだけの差のある子が属するわけで、その差は無視できません。

従ってペーパーの指導手引き通りにできないからといって焦る必要はないのです。5歳になり立てではできなかったことが、5歳3ヶ月ではできるということがあります。典型的なものが「数の逆唱」です。「1・3・9・6」と言ったら「6・9・3・1」と逆に言う課題のことです。

3桁までしか言えないものが、ある時突然4桁ができるようになります。ワーキングメモリを使うので成人でも順唱で7~8桁が限界で、逆唱はより難しい課題となります。

このように家庭学習でも幼児教室に通っていても、少し前の苦手な課題を復習することは意味があります。月齢が進むと以前に難航していたのがうそのようにスラスラできるようになるのですから。

楽しくなければ身につかない

お勉強
子どものコンディションに応じて教材を与える
眠い時や機嫌の悪いときにお勉強しても身につきません。特に記憶に関する課題は、「やる気」と密接な関係があるそうです。ですから、毎日サーキットトレーニングのように、多くの課題を与え続けるのは効率が悪いと言えます。

小学校受験でも親はコーチやトレーナーの役割をしましょう。子どもの体調やコンディションを観察しながら、「今日はこのくらいにしておこう」とか「もう少しできそう……」など負荷の大きさをコントロールしてください。

何でもそうですが、実力相応よりもほんの少し上を目指すと、効率よいトレーニングになります。

1度にひとつをインプット

幼児に注意をする場合にはひとつずつを心がけます。あれこれ言って聞かせても一番最後の言葉の印象が強く、その前を忘れてしまいます。そして間をおかずにその場で注意します。時間的、空間的に離れてしまうとその効果は薄れてしまいますから。

しかしながら、入試では「海で採れるものには赤いペンで○としてください。山で採れるものには青のペンで×をつけましょう」などと、複数の指示が出されます。これは練習するしかありません。「条件」と「指示」の部分で指を折りながら聞く(「海、赤、○、山、青、×」)などして、忘れないようにします。

問題ではこのように複数の指示を聞き漏らさないようにしなくてはなりませんが、指導する際にはそれとは別で、ちゃんと直せるようにワンポイントでの指摘にしましょう。

例えば、点図形の練習中に「あー、線が曲がっている。点の上を通ってないし、角が丸くなっている。そこは一段下でしょ?」と続けざまに指摘するよりは、1問やったところで「線は真っすぐ描いてね」と注意し、2問目で「この黒い点に触らないとだめなのよ」と次のポイントを直します。

まとめ

小学校受験においてペーパーや知的能力は、足切りテストの意味が大きいのが今の入試です。中学入試のようにペーパーで1番だから合格するとは限りません。その他の要素を日常生活で伸ばすことが重要です。お勉強ばかりではなく、社会性を育て、柔軟性を育むために色々な体験をさせるように心がけていただくようお願いします。
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