合格に近い親になる【3】
幼児の受験指導歴24年の杉山先生に、合格に近い親になるためには、どうしたら良いか以前にインタビューをお願いし記事にしました。その記事では成功するタイプの親について語っていただきましたが、具体的な人物像が思い浮かびにくかったかも知れません。そこで今回は番外編として、杉山先生が実際に持たれた生徒さんの素敵なお母様について、人となりを教えていただいたのでご紹介します。
杉山先生:そのお母様は、本当に色々な意味で皆さんのお手本になるような方でした。子供との語らい、語りかけの機会を意識してたくさん持っていたように思います。それから季節感や、知らない言葉について大変丁寧に教えておられた様子です。
機会あるごとに、(例えば玄関の花一つ見ても)
「見て、キレイな花ね、なんだか知ってる?
そうね、菊ね。よく知ってるわね!
この前見た、ススキやリンドウと同じ秋の花ね」
という具合でした。(この一言でいつもの様子が察せられます)そうね、菊ね。よく知ってるわね!
この前見た、ススキやリンドウと同じ秋の花ね」
また、授業で出来なかった所がたくさんあった日は
「今日はたくさんタカラモノを見つけていただいた日です。このプリントにはそれがいっぱいです。丁寧に復習いたします。」
と言って帰っていかれました。いつも真摯な態度でしたね。子供の話もよく聞いていて、私が子供に何か質問しても、(子供の)返答を横取りする事はありません。充分でない答えの時も「ほら、いつも○○○ってお母さんにお話してくれること先生にも教えてあげて」と、上手に誘導する。それでも足りない点を後から補填してお話される。
もともと素質は優秀なおこさんでしたけれど、少し幼さが見られ心配な面がありました。でも、お母様は子供をよく見て成長を見守りながら無理なく勉強を進めていたようでした。
受験間際は、志望校を私立2校にしぼり、『もしだめでも、また、6年間近くの小学校でじっくりこの子のペースで勉強していけばいいと思います。』とおっしゃっていました。
だから、とても子供らしい、幸福そうな様子は少しも損なわれる事無く無事受験が終わった親子です。国立にも願書は出していたようですが、合格校に決めたとのことでした。(杉山先生のコメントここまで)
お受験に成功する親になるには… |
それは
- 子どもの成長を待つことができる。
- 子どもの話をよく聞く。
- 日常生活で自然に子どもに知識を与えている。
- 前向きな考え方ができる。
- 子どもを上手く補助して導くことができる。
- 感受性が豊かである。
- 他人を思いやる気持ちを持っている。
- 子どもを兄弟や他の子と比べない。
- 子どもの性質に合った学校を選ぶことができる。
実は、後日追加で以下のお話しを伺いました。
杉山先生:このお母様が教室にいらして、「この子の合格でなにより嬉しかったのは、上の子が(兄)僕はだめだった学校なのに『うかってよかったね』とこころから喜んでくれたことです」と、話していかれました」(杉山先生のコメントここまで)
家庭のしつけで何を重視しているかがよくわかるエピソードです。お受験が価値観の主役ではなく、目的を達成するための手段だと心得ていらっしゃる。だから、価値観に合う上の子の言動を喜ぶことができるのですね。
兄弟それぞれ、幼稚園も小学校も全く違うところを(熟慮のすえ)選択している所も他の親御さんと違っていたとのこと。
また、上のお子さんの時に御自宅を先生が訪れたある雨の日、先生の靴がひどくぬれたことがありました。それを帰るまでに新聞紙にくるんで乾燥機で乾かしておく心遣いに感激したそうです。
お受験のためということでなく、人間形成の一貫として行動観察や知識問題の対策をしてゆけば、決して後悔することはないのだと思います。
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