たとえ遊んでいるように見える学生も、いざとなれば集中してレポートを仕上げることができます。
東大に限らず大学受験を苦労せずに済ませるには、子供を勉強好きにすることが早道です。自分から勉強する子にしてしまえば、親がうるさくいう必要もありません。また小さい内に養うと後でとても役に立つ力があります。
それは「2つの習慣と3つの力」です。
2つの習慣とは「読書の習慣」と「自習の習慣」で、3つの力は「集中力」「記憶力」「思考力」です。2つの習慣に支えられ3つの力が身につくのです。
読書の習慣は読み聞かせから
読書が大切なことはご存じの通りです。子どもの世界に限らずおとなも活字離れの傾向が強く、言語能力が低下していると、言われて久しい状況は変わっていません。読む機会で一番多いのは、多くの学校で取り入れられている「朝の読書の時間」です。
私立中学の入試問題では少なくとも中学生レベルの本から題材が取られます。大人向けの本からも出題されています。それだけ精神年齢の高さが求められているわけです。このレベルは「朝の読書」では不足です。
読書の習慣を身に付ける第一歩は、幼児期の「読み聞かせ」です。幼児や小学校低学年で自分の読める本を選ぶと、文字の少ない絵本中心になってしまいます。そこで、子どもがワクワクして聞き入ってくれるような物語を、親が毎日少しずつ続けて読んでやるとよいのです。
「不思議の国のアリス」「十五少年漂流記」「赤毛のアン」「ああ無情」「小公女」など数々の名作がありますし、「ハリーポッター」シリーズなのでもいいでしょう。その際にフリガナがふってある本を選んでおけば、どうしても続きが知りたくなって自分で読み始める時に助けになります。
読解力は全ての学科の基礎。これを身につけるには読書が一番です。本が好きなら勉強という意識なしに、それが身につくのですからとても楽です。
自習の習慣は幼児期から
中学受験に本格的に取り組む小学校4,5年生では、塾だけでなく家庭での予習・復習が大切になってきます。しかし、この時期になっていきなり机に向かって勉強しろと言っても無理です。特に男の子はその傾向が強いです。
そこで低学年から毎日一定時間学習する習慣を身に付けさせたいものです。最初は1日10分でもいいのです。市販の計算や漢字ドリルを毎日1~2枚続けます。小学生向け漢字検定を一段階ずつクリアするように、教材をこなすのもいいでしょう。
病気等のよほどのことがない限り、欠かさずやるように約束するとなお結構です。それだけ重要なことなのだという認識を持たせることができます。「きょうは疲れているからいいわ。」「旅行中ぐらいはやらなくてもね。」と甘い顔をしてはいけません。
習慣になってしまえば、やらないと眠れないくらいになるはずです。それが目的ですので特に最初の頃が肝心です。できれば4,5歳から始めるとなおいいでしょう。迷路等のプリントが市販されています。幼児の内に机に向かう習慣ができれば、学校に上がってからの家庭学習がスムーズにできます。
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参考記事◆言語能力を伸ばそう!