海外作品への挑戦も視野に入れて……
――モデルとしても活躍されていますが、今後、モデルと俳優、どちらかに軸足を置くことなど考えていますか?三吉:まったくないです。モデル、俳優だけでなく、私は表現することにすごく興味があり、歌を歌っていたこともありますし、ミュージカル、写真、いろいろな表現方法にチャレンジしてきました。
今後のことはまだ分からないのですが、流行りが移り変わっていくのと同じように、興味があるものも変化していくと思うので、アンテナを張り巡らせつつ、柔軟性を持って取り組んでいきたいです。
――俳優として、具体的にやってみたいことなどはないですか?
三吉:海外の作品にも関わっていきたいです。その準備はこれから頑張ってやっていかないといけないと考えています。アジア圏の作品にも興味がありますし、その世界に自分も入ってみたいという気持ちがあります。
ターニングポイントは20歳のときの初写真集
――三吉さんにとって、今の自分につながるようなターニングポイントになった出来事やお仕事はありますか?三吉:出演した作品ごとに刺激も学びもあるのですが、一番は20歳になったときに出版した初めての写真集『わたし』(文藝春秋刊)です。
全てインドで撮影をしたのですが、そのときに見た景色が印象深くて。また10代は、がむしゃらに突っ走ってきたけれど、20歳になったら自分が求めるものと求められるもののバランスを取りながらやっていかなくてはいけないのだろうな……と思った記憶があります。
10代から20代へ、大人の女性へと変わっていくタイミングでうそ偽りのない自分を表現できた写真集なので、20歳という年齢とこの写真集は私のターニングポイントです。
マーベルもコメディー映画も大好きです!
――All Aboutでは俳優さんの映画生活をお聞きしているのですが、三吉さんは映画館へ行きますか? 好きな席はありますか?三吉:席は絶対に一番後ろの席を選びます。空き状況で変わることはありますが、一番後ろからスクリーンを見るのが好きなんです。
――最近は何か映画をご覧になりましたか?
三吉:『デッドプール&ウルヴァリン』、面白かったです。マーベル作品もコメディー映画も大好きです(笑)。 ――最後に完成した『本心』を見た感想をお願いします。
三吉:撮影しているときは、これまで経験したことがないくらい心身共に削られたと感じていたので、完成した映画を見るのが不安だったんです。
でも試写で見たとき「本心ってなんだろう」とずっと考えていたことの答えを見いだせた気がしました。ぜひ多くの方に劇場で見ていただきたいです。
三吉彩花(みよし・あやか)さんのプロフィール
1996年6月18日生まれ。埼玉県出身。2010年、雑誌『Seventeen』(集英社刊)の専属モデルに抜てきされる。同雑誌の卒業後も女性誌、ファッション誌のモデルやファッションショーなどに多数出演。2012年『グッモーエビアン!』で第67回毎日映画コンクールスポニチグランプリ新人賞を受賞。2013年『旅立ちの島唄~十五の春~』で第35回ヨコハマ映画祭最優秀新人賞を受賞。近作はNetflixドラマ『今際の国のアリス』(2020、2022)Amazon Original『ナックルガール』(2023)『先生の白い嘘』(2024)。
『本心』2024年11月8日(金)より全国ロードショー
「大事な話があるの」。そう言い残して急逝した母・秋子(田中裕子)が、実は“自由死”を選んでいた。どうしても母の本心が知りたい朔也(池松壮亮)は、AIを駆使して仮想空間上に“人間”を作る技術VF(ヴァーチャル・フィギュア)の存在を知り、開発者・野崎(妻夫木聡)に依頼をして母をよみがえらせる。朔也は、VFの母、母の親友・三好(三吉彩花)と共に、他愛もない日常を取り戻すが、VFは徐々に“知らない母の一面”をさらけ出していく……。
原作:平野啓一郎『本心』(文春文庫/コルク)
監督・脚本:石井裕也
出演:池松壮亮、三吉彩花、水上恒司、仲野太賀、綾野剛、田中泯、妻夫木聡、田中裕子
(C)2024 映画『本心』製作委員会
撮影・取材・文:斎藤香