表面的な思考で終わるとなぜいけないか

表面的な思考法の欠点は次のような点です。
・的確な判断ができない
・問題点を掘り下げられない
・人を説得できない
・納得できないことを受け入れるはめになる
・どうどう巡りの議論に陥る

ロジカルシンキング・のポイント

ロジカルシンキング・のポイントは、事実に基づいた主張や議論を展開することです。私たちは無意識に先入観にとらわれて、「きっとこれは○○だろう」と検証されてない主張をしがちです。確かに経験から導かれる「推定原因」が正しいことが往々にしてあります。

でも、より困難な状況や難易度の高い課題では真の原因はそう簡単には見つかりません。試行錯誤法では時間を浪費して上手くいかないのです。

前編の光塩女子学院中の問題で、「差別はいけないから」などという解答をしてしまうのが思い込み一例です。「選択肢がどのような差別だからダメなのか」を主張しなくてはなりません。

思いこみの例として次の問題を考えてみて下さい。
「刑事のAさんには弟のBさんがいます。ところがBさんに『あなたのお兄さんは刑事ですね?』と尋ねたら『いいえ兄はデザイナーです。』と答えました。これはどういうことでしょうか?」

ロジカルシンキングの実践

ここでロジカルシンキングを使ってみましょう。出発点は「事実」です。判明している事実を列挙して、そして見落としている可能性などを洗い出します。

事実を整理すると

◇BはAの弟である。
◇Bの兄はデザイナーである
◇AはBの兄ではない。
ここでBの兄をCとすれば◇AはCではないことが導かれます。AとCが同一人物でないならば、Bには兄と姉の両方がいる可能性が残ります。そこで「AはBの姉である。」が導かれます。刑事という言葉でAを男性と思いこむと説明できなくなるわけです。

このように様々な要因や構成要素を重複無くかつ漏れなく列挙するMECEという手法が用いられます。

また問題点の原因分析の際には、トヨタ方式が参考になります。トヨタ自動車では問題解決にあたっては「なぜを5回繰り返せ」と教えるそうです。そうすることで根本的な原因にたどりつくことができるからです。

この時に注意すべきは「仮説を証明する根拠に仮定を用いない」ということです。よく擬似科学の本に頻繁に見られる記述があります。「もしこれらが○○だったとすれば□□ということが分かる。□□ならば△△と言えるだろう。」などとの論理飛躍です。これを防ぐのが「事実」という足かせです。

子供がロジカルシンキング的な態度を身に付けるのに一番大切なのは、とにかく判っていることを書き出してみるということです。脳の中のワーキングメモリーを有効に使うには、紙などに書き出して、自由に使える記憶領域を増やしてやる必要があります。すると考えが整理されて、早く正解にたどり着くことができるようになるはずです。

【参考文献】
クリティカルシンキング>ロジカルシンキング
ロジカルシンキング(前編)
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。