17歳で経験した舞台がターニングポイント
――俳優として順調にキャリアを重ねていらっしゃいますが、ターニングポイントになった作品はありますか?間宮:作品ごとに影響を受けていると思うのですが、2010年に出演させていただいた長塚圭史さん演出の舞台『ハーパー・リーガン』です。当時、17歳だったのですが、学園ドラマのレギュラーエキストラなどの役が多かった自分が、初めてプロの芝居の舞台に立たせていただいたんです。
主演の小林聡美さん、共演者の皆さんも生粋の俳優ばかりで、そんなすごい人たちに囲まれて芝居をしたとき、初めて生身の役者を感じたというか、芝居の仕事ってなんて面白いんだろうと思いました。
――17歳で素晴らしい経験をされたんですね。それからたくさんの作品に関わっていらっしゃいますが、演技の醍醐味(だいごみ)とはなんでしょう?
間宮:いつも自分でコントロールしながら演じているのですが、時々ふと、自分が演じている役と目の前の相手役と、もっというと見てくださっているお客さまともつながる瞬間を感じることがあるんです。バチバチッと全てがハマる瞬間。狙って起こせるものではないし、この仕事でしか感じられないのではないかと思います。
――ミラクルな瞬間なんですね。
間宮:そうですね。いろんな要因がベストな状態で積み重なって、化学反応みたいにピタッとハマらないと感じられない特別な瞬間なんだと思います。
見る作品と気分によってベスポジは変わる!
――All Aboutでは取材した皆さんに映画の思い出や劇場で見た映画、好きな映画館の座席についても聞いているのですが、間宮さんは映画館で映画をよく見ますか?間宮:映画館で見るのは好きなんですが、昔に比べて行く回数は減りましたね。以前はいろいろな映画館に行って見ていました。ポレポレ東中野で青山真治監督作品3本立てなど、ぶっ通しで9時間くらい見ていました。
――青山監督作は長尺の映画がありますよね。
間宮:僕が見たときは『EUREKA』『サッド ヴァケイション』『エリ・エリ・レマ・サバクタニ』の3本立てでした。
映画館で見るほうが、音響などの設備が整っているからいいのですが、内容によっては家で鑑賞しても集中できることもあります。あと、お客さんの反応が気になる作品もあるので、そういうときは映画館で見たくなりますね。
――映画館で映画を見るとき、座席にこだわりはありますか?
間宮:見る作品によって違いますね。真ん中の席で周りのお客さんの反応も含めて作品を楽しみたいこともありますし、「この映画は孤独と向き合いたい」と思ったら、一番後ろで見ますし。作品によっては空いている映画館で見たいと思ったりすることもあります。 ――作品と気分で座席を変えていくのも楽しそうですね。最後にこのドラマを見た感想とおすすめポイントを教えてください。
間宮:とにかくテンポが良くて、1話を見たら「はい、次!」と続きに手が伸びる作りになっています。裏社会を描いているけれど、ポップなところもあるし、スピード感とエッジの効いた部分もありますから、すごく見やすいのではないかと思います。タモツを通して裏社会の闇をのぞき見るような感じで楽しんでいただければうれしいです。
間宮祥太朗(まみや・しょうたろう)さんのプロフィール
1993年6月11日生まれ。神奈川県出身。2008年に俳優デビュー。2016年『ニーチェ先生』(読売テレビ)でドラマ初主演。2017年『全員死刑』で映画初主演。主な作品は映画『ライチ☆光クラブ』(2016年)『帝一の國』(2017)『殺さない彼と死なない彼女』(2019)『東京リベンジャーズ』シリーズ(2021、2023)『破戒』(2022)。近作は『変な家』『劇場版ACMA:GAME 最後の鍵』(2024)。最新作は『アンダーニンジャ』(2025年1月24日公開予定)。
撮影・取材・文:斎藤香
ヘアメイク:三宅茜
スタイリスト:津野真吾(impiger)
衣装クレジット:LES SIX(MATT.)(ジャケット、パンツ)、Christian Louboutin(靴)
WOWOW連続ドラマW-30『ハスリンボーイ』
大学の奨学金510万円を卒業までに完済しようとバイトに励む大学生のタモツ(間宮祥太朗)は、仮想通貨の罠にハマり、200万円の借金を背負うことに。自分の窮地を救ってくれた道具屋(※)の九条(玉山鉄二)の代わりに、タモツは道具屋になり闇社会に入っていく……。※非合法なツールを扱う闇社会の専門職
2024年11月1日(金)配信・放送スタート(全8話)
第1話無料【WOWOWプライム】【WOWOW4K】【WOWOWオンデマンド】
出演:間宮祥太朗、毎熊克哉、横田真悠、一ノ瀬颯、玉山鉄二ほか
原作:草下シンヤ・本田優貴『ハスリンボーイ』(小学館ビッグスピリッツコミックス刊)
監督:鈴木浩介
脚本:小寺和久、掛須夏美
音楽:堤裕介
プロデューサー:廣瀬眞子、笠置高弘、河相沙羅
製作:WOWOW トライストーン・エンタテイメント『ハスリンボーイ』
(C)草下シンヤ・本田優貴/小学館 (C)2024 WOWOW INC.