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中学入試の理科の特色 中学入試の理科ってどんなの?

中学入試の理科は10年前までは暗記と計算の科目でした。苦手科目の子供が多くいます。どうすれば理科嫌いを防ぐことができるのでしょうか。

高橋 公英

執筆者:高橋 公英

学習・受験ガイド

小四の息子が公開模試を受けたので、付き添いに行き父母説明会に出席してきました。この時期行われる大手の進学教室のものではなく、首都圏に2、3の教室を持つ比較的小規模な塾のものです。今回のテーマは最近の中学入試における理科でした。

10年くらい前までは、理科というのは「植物の分類」「昆虫の分類」「生物の身体の仕組み」「天体」「力学」の暗記+ガリガリ計算という形の入試でした。単元間の関連など重視されず、本来理科的な考え方を身につけるのが目的であるはずの科目が、面白くないものになっていました。力学の計算に至っては、滑車や輪軸の複雑な組み合わせで、現実には「こんな機械どこで使うの?」と質問されても答えられないものが出題されていたのです。入試のための問題でしかなかったわけです。

しかしその後、理科的な考え方を問う良問が出されるようになりました。例えば四つ足の動物と人間の骨格の違いから進化について尋ねたり、同じ力学の重心についての出題でも、竹馬でバランスを取って乗っている時の傾きを問うなど実際的な問題になってきています。最近流行の環境問題についての出題でも、二酸化炭素と空気の熱の吸収量について実験したデータを示して、それについて設問を重ねて結論に導く問題などもあります。

しかし、このような出題傾向が多くなってくると今までのように単に知識を詰め込むだけでは太刀打ちできなくなってきます。6年生の段階ではもう一度知識のチェックも必要ですが、4年、5年の内は博物館や科学館へ行ったり、NHKの科学番組を見たり様々な雑学が後に思わぬ理科の力になります。人体や生命の進化についてのNHKスペシャルなどは大人が見ても楽しいし、きっと子供にも面白い番組です(ビデオも出ていますよね)。アニメやバラエティばかりでなく、偶にはこういう番組を親子で見るのも良いかも知れません。

また社会で地図帳が手放せないように、理科でも図鑑や百科事典を直ぐに引く習慣がつくと、とても良いそうです。図鑑を目で見た印象が残ってテストの時に浮かんできたりして助かることも多々あるとか。それからするとインターネットも理科の勉強には適しているとも言えます。例えばアメリカのNASAや日本のNASDAのホームページで天体の写真を見るとその美しさに圧倒されます。

今後学習指導要領では理科がかなり削減されるので、入試対策に関しては塾に負うところが大きくなると思います。受験勉強で理科嫌いにならないように、子供に「理科的なもの」に触れさせる機会を多く作ろうと思います。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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