今回は富山県で「笑いヨガ」を広める活動をしている「笑いヨガ」講師の沼田淑美(ぬまた よしみ)さんにインタビューを行いました。沼田さんは長年にわたり笑いヨガを指導し、多くのシニアの方々に健康と喜びをもたらしています。シニアに「笑いヨガ」がおすすめな理由とは?
笑いヨガは、心と体の両面でシニアの生活の質を高める効果がある
――「笑いヨガ」を始めたきっかけ、良かったことを教えてください。沼田さん:笑いヨガとの出会いは、前職の介護職員だったときにさかのぼります。友人から勧められ、初めて「笑いヨガ」を受講したときの、参加者みんなとの一体感は忘れられません。「わっはっはっ」と笑うだけのエクササイズですが、とても楽しく、時間を忘れた1時間でした。
すぐに「笑いヨガの講師になりたい!」と思ったのを覚えています。笑いヨガをすることで「私らしくある」「そのままが素晴らしい」と思えるようになりました。
笑いヨガは、介護施設の利用者様向けのレクリエーションとしてリラックス効果があると思っていましたが、利用者様にサービスを提供する介護職員にとっても、日ごろの緊張やストレスを軽減するのに役立ちました。
――シニア世代にとって「笑いヨガ」が特に良いと思われる点は何ですか?
沼田さん:笑いヨガは、「ただ笑うだけ」。笑いは誰にでも備わった感情で、できない人はいません。上手、下手もなく、とても簡単です。特別な道具や経験は不要で、誰でもすぐに始められる点は大きな魅力だと思います。
たとえば、習字や手芸、大正琴などの趣味は、好きな人にとっては楽しいですが、初心者にとってはある程度マスターしないと面白くない。覚えることがあるけどうまくいかないなど、習い続けるための努力を要し、途中で挫折する人がいるかもしれません。どんな習い事も合う、合わないがあるものです。
一方、笑いヨガは、準備なし、場に参加するだけでOK。大きな声で「わっはっはっ」と笑うことでストレスが解消され、リラクゼーション効果があると言われています。また、軽い運動が含まれているため、体力の維持や向上にも役立ちます。
「笑いヨガ」に参加している他のメンバーのことを知らなくても、場に入り、ただ笑っているだけで、お互いのつながりが強化され、孤独感が軽減されます。
笑いヨガに参加すると、日々の生活そのものが楽しくなる?
――沼田さんの「笑いヨガ」クラスで特に印象に残っている参加者のエピソードがあれば教えてください。沼田さん:特に印象的なのは、ある70代の女性です。彼女は初めてクラスに参加したとき、モノトーン調の地味な格好を好まれる方で、とてもシャイな印象でした。
しかし、毎週参加するうちに、黄色やオレンジ、赤などのカラフルな色の服を選ぶようになり、たまに冗談も言われるようになりました! 見た目の雰囲気がパッと明るくなり、他の参加者とも積極的にコミュニケーションを取られています。彼女自身が「笑いヨガに来るのが楽しい」「新しい友達ができ、日々の生活そのものが楽しくなった」と話してくれたときは、本当にうれしかったです。
――笑いヨガのクラスを開催する際に心がけていることは何ですか?
沼田さん:クラスを開催する際には、参加者全員がリラックスし、楽しめる雰囲気を作ることを心がけています。また、歌や踊りを交えたり、ストーリ仕立てのエクササイズにしたりして、1回ごとに内容が異なるものを提供するようにしています。
他には、無理をせず、自分のペースで参加してもらえるようサポートすること、笑いのエクササイズだけでなく、呼吸法やリラクゼーションの時間も大切にしています。
何よりも、笑いを共有することで、参加者同士の絆が深まり、ポジティブなエネルギーが広がることを目指しています。
まとめ
笑いヨガに参加するときは、NPO法人ラフターヨガジャパンのHPの中にある「認定講師を見つける」というページから、地域の認定講師を見つけるとよいでしょう。沼田さんのクラブは、北陸エリアをクリックすると確認できます。
※「笑いヨガ」の時間や会費はサークルによって異なります。詳しくは認定講師にご確認ください。
沼田淑美さんのプロフィール
ラフターヨガ インターナショナルユニバーシティ認定ティーチャー。富山県で「笑いヨガ」を広める「ラフターアンバサダー」として活動。沼田淑美さんは、2016年より「笑いヨガ」講座を開催。現在までほぼ月4回ペースで開き「講座回数380回」を重ねるベテラン講師。LINEで「よしみと笑おうLINEラフタークラブ」を主宰。朝(10:00~10:10)・夕方(17:40~17:50)の2回、LINEをつないで10分間笑うだけの時間を設け誰でも参加可能。シニアの方々が、心身のバランスを整えるための「笑い」を生活に取り入れてもらえることに情熱を注いでいます。沼田さん自身、笑いヨガを始めて「年齢に関係なく人生は楽しめる!」「やりたいと思ったことはチャレンジする」自分になったとのこと。