英語を学んでいる人たちは、どのように英語を活かすのでしょう? 生の英語に触れ、さらに英語力に磨きをかけたいと、ボランティア通訳などに応募して活き活きと語学力を使っている人たちに焦点をあててみました。
国際的なイベントを支えたボランティアたち
「世界バスケ」の裏側を支えたボランティアたちの物語 |
この夏、「世界バスケ」 FIBA バスケットボール世界選手権2006が日本で開催されました。その大会に付随して、4年に1度開催される 「世界総会」 といわれる国際会議を支えたボランティア達がいます。19歳の学生から50代まで幅広い年齢層の集まりでしたが、その活躍は実に高く評価されていました。
世界 212 のFIBA (Federation of International Basketball Associations 国際バスケットボール連盟)に加盟している各国、地域協会からVIPが集まってきました。総勢300名以上のバスケットボール協会の役員さんたちが東京に集結したのです。ボランティアたちの仕事は、空港で国際審判員たちのピックアップをするということから始まりました。空港で目印になるサインボードと名前のリストを掲げ、目的の人を探し出します。もちろんコミュニケーション言語は英語。
その後、VIPのお出迎え。ホテルへの移動をヘルプし、ホテル内では会議に向けての資料作成の手伝い、決勝トーナメントが行われているさいたまスーパーアリーナへのアテンド、埼玉県知事主催のパーティーでの通訳業務、会議の合い間に東京見物をする人やお土産を買う人たちを手伝うエクスカージョンなど多種に渡る仕事を見事にこなしていました。世界中から人が集まってきたので、フランス語やスペイン語、ドイツ語、イタリア語、珍しいところではセルビア語なども飛び交っていましたが、ボランティア達は得意の英語と、とびっきりの笑顔で会場中を走り回っていました。
報酬ではない! 得られるものが多いから……
菊地さんは空港責任者としてピックアップで活躍。お客様と一緒に東京観光も。 |
ボランティアですので、もちろん報酬はゼロ、労働は過酷。それでもこのボランティア活動が魅力的なのはなぜでしょう? 参加者のひとり、普段は英会話講師をしている菊地智子さんは、こう答えていました。
「だって、こんな世界的なイベント、それだけでわくわくします。世界各国の人と直接話が出来るんですよ。仕事は本当に朝早くから夜遅くまでで過酷でしたが、辛いとはちっとも思いませんでした。むしろ楽しくて、終って欲しくないと思いましたね。」
ボランティア活動を終えた他の人の声も集めてみました。次のページへ