マネジメント

「プールの水出しっぱなし」は先生が弁償するべき? ヒューマンエラーによる賠償責任のあり方を考える(3ページ目)

学校のプールの水を止め忘れて損害を発生させたとして、教諭らが賠償を申し出るケース。個人的に弁償させるのが妥当か否か、毎度議論になってもいます。公共と民間の立場の違いも踏まえつつ、この手の問題のあるべき対処について考えます。

大関 暁夫

執筆者:大関 暁夫

組織マネジメントガイド

より納得しやすい解決方法は

このようにプールの水道の閉め忘れのようなヒューマンエラーによる個人賠償のあり方は、公的機関と民間企業によって基本的な考え方が異なっていると思われます。これは最終的に誰の責任に負わせるかの判断の違いではなく、損害を誰の負担にすれば納得性が高いか検討する必要があるかないかの違いであるように思います。

公立小学校のような公共団体の場合には、原資が税金であるという点がネックとなって、税金の無駄遣いとならない解決法を求めざるを得ず、当事者の個人負担は免れ得ないということになってしまうのでしょう。

しかしひとつの解決法として、水道料金というものが公共料金であることから、事故発生の公共団体との協議の上で議会等の承認を経て、当該公共料金負担については免除扱いにするというやり方もあるのではないかと思います。

これ以外にも、公立学校単独ではなく市や県といった地方公共団体全体の問題として捉えるならば、より納得性の高い解決方法の検討余地があるかもしれないと思うのです。小学校のプールの件で賛否両論が語られスッキリしないのは、そういった検討がなされた形跡がないことにあるのかもしれません。
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