食と健康

Q. 「食べ過ぎると老けて見える」って本当?

【管理栄養士が解説】「食べ過ぎると老けて見える」という説は本当でしょうか? わかりやすく解説します。

平井 千里

平井 千里

管理栄養士 / 実践栄養 ガイド

小田原短期大学食物栄養学科 教授。女子栄養大学栄養科学研究所客員研究員。女子栄養大学大学院 博士課程修了。名古屋女子大学 助手、一宮女子短期大学 専任講師を経て大学院へ進学。肥満と栄養摂取の関連について研究。前職は病院栄養科責任者(栄養相談も実施)。現在は教壇に立つ傍ら、実践に即した栄養情報を発信。

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Q. 「食べ過ぎると老けて見えやすい」って本当ですか?

見た目年齢が高く見える悩み

実年齢より老けて見られる……その原因は食生活にも?


Q. 「食べるのが大好きなのですが、『あまり食べ過ぎてると早く老けるよ』と言われました。やせ過ぎた体型よりも、ある程度食べている方が健康的で、しわも少なく、若く見える気がするのですが、違うのでしょうか?」
 

A. 本当です。若々しい見た目は「腹八分目の食事」で作りましょう

たしかに質問者さまが書かれている通り、やせ過ぎは見た目にも健康にもよくありません。しかし、「食べ過ぎると、(いずれ)老けて見える」というのは本当です。老けて見えるというのは、いわゆる「見た目年齢」が実年齢以上に見えてしまうということですが、顔のシワなどの見た目は、「細胞の老化度合い」が大きく影響します。そして、あまり知られていませんが、細胞の老化スピードは食べる量によって差が出てくるのです。

以前、科学誌『Science』に2匹のサルの写真が掲載され、話題になりました。好きなだけ餌を与え続けた猿と、エネルギー制限した餌を適度に与え続けた猿を観察し続けたところ、高齢になった時に、2匹の見た目は大きく異なっていたのです。適度に食事が制限されていた猿は若い見た目を保てたのに対し、好きなだけ食べていた猿の方は顔全体に深いシワが刻まれ、実際の年齢以上に老いた見た目になりました。

「食べ過ぎが老化を早める」のは人間でも同じです。そして細胞分裂のスピードは、「食べる量」で変えられます。腹八分目は若々しさの極意とも言えます。さらに、食べるものにこだわったり、噛む回数を増やすといった工夫も有効です。

食事は毎日のことなので、ちょっとしたことでも、継続は力なり。長い時間を経た後に、大きな差を生みます。「食べ過ぎ」は控えて、ほどほどの量をおいしく楽しんで食べるのがよさそうです。

さらに詳しく知りたい方は、「40代からの「老けない食べ方」のコツ」をあわせてご覧ください。
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