実際、現役時代に仕事中心に時間を使ってきた方であれば、忙しくて趣味をする時間がなかったかもしれません。また、お金がかかる外出は「たまに」で十分ということであれば、老後は家の中で過ごすことが多くなってしまうでしょう。
シルバー人材センターへ会員登録するプロセスと注意点を詳しく聞いてみました
そんな方が「少しでも収入を得たい」「体を動かして健康を維持したい」「地域の方々に喜ばれたい」などを望むなら、地域で見かける「シルバー人材センター」への会員登録を検討してみてはどうでしょう。今回は、シルバー人材センターに会員登録するまでのプロセスと注意点を公益社団法人富山市シルバー人材センターの松田事務局次長に教えていただきました。
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シルバー人材センターでの会員登録は2ステップ
シルバー人材センターに会員登録するまでの2ステップを順番に教えてもらいましょう。――シルバー人材センターに会員登録するまでの2ステップのうち第1ステップは、お仕事説明会への参加ですが、どこで参加できるのでしょうか? また、説明会の内容を簡単に教えてください。
松田事務局次長:シルバー人材センターの会員になるときは、センターの仕組みや考え方を聞いていただくため、当センターでは、まず「シニアのためのお仕事説明会」(以下、お仕事説明会)に参加していただくことになっています。お仕事説明会は、地域ごと行われているため全国のシルバー人材センターで実施回数は異なります。
富山市の場合を言うなら、「お仕事説明会」の回数は、定期説明会が年50回ほど、出張説明会が年10回ほどです。 また、年3~6回、「女性のつどい」という女性限定のイベントも行っています。女性のつどいは、「1部:お仕事説明会」「2部:ワークショップ」という構成で行われており、実際にシルバー人材センターの会員として活躍している方の話や活動状況を聞き、シルバー人材センターについて理解を深めてもらうことを目的にしています。
ワークショップは、シルバー人材センターの会員が講師となり、風船で動物や花を作る「バルーンアート」や、絹地で花を作る「シルクフラワー」、ハガキにちりめんを張り付けてデザイン画を作る「ちりめん細工」などが行われました。
事前にご連絡いただければ、センターで個別に説明することも可能です。 ――シルバー人材センターに会員登録するまでの2ステップのうち第2ステップは、入会手続きですが、具体的にどのようなことを行いますか?
松田事務局次長:シルバー人材センターの説明を受け、仕組みを理解していただければ、その後、会員登録をすることができます。
会員登録をするのに必要なものは、以下の3点です。
・年会費2500円(センターの会費:2000円、互助会費500円)
・報酬を振り込む銀行の口座番号が分かるもの(通帳や通帳のコピー)
なお、派遣事業への登録の場合は、後日、マイナンバーカードが必要となります。
・入会申込書等(センターでお渡しします)
なお、年会費は、年間1000~3000円程度となっており、各センターによって異なります。
会員登録に必要な「入会申込書」とその注意点
――入会申込書とはどんな書類ですか? 記入するにあたり注意点などはありますか?松田事務局次長:入会申込書とは、氏名・住所・連絡先などの基本情報と仕事の希望を記入していただく書類です。
記入に際しての注意点としては、仕事の希望は、就業したい仕事を少なくとも「5つぐらい」記入していただくとよいですよ。シルバー人材センターに企業や官公庁、個人などからさまざまな仕事をご依頼いただいておりますが、うまくマッチングするためにも、詳しい情報があった方が都合がよいからです。
仕事の種類以外に、持っている資格や得意なことも記入いただくとなお好都合です。
先日登録された方の例ですが、ギターが得意で教えていたという方が登録に来られました。その方に対しては、シルバー人材センターで行っている一般市民向けのカルチャー教室で「ギター教室の講師」になることを提案しました。
カルチャー教室では「大正琴教室」「ペン習字教室」「革細工教室」「着付け教室」「バルーンアート」なども開催しています。得意なもの・ことがあればカルチャー教室で新たに教室を創設することも可能です。
会員の皆さんの希望職種や就業ニーズに沿うためにも遠慮せず「自分がしたいこと、得意なこと」を話していただけると、仕事につながる可能性が高まりますね。
まとめ
シルバー人材センターでは、会員の希望に沿った就業を支援するため、会員は希望する仕事のヒアリングの際に、資格や特技なども伝えることが大切とおっしゃっていました。自分の得意なことで「こんな仕事がしたい!」という方、「空いた時間を有効活用できればいいな」と思っている方は、お住まいの地域にあるシルバー人材センターを訪ねてみてはどうでしょう。