そんなときは、解決策として「永代供養墓」を検討するのも一つの選択です。
永代供養墓とは?
永代供養墓とは、寺院や霊園の管理者が家族に代わり供養・管理を行うお墓です。一般的な永代供養墓では、見ず知らずの他人と同じスペースに骨壺を置き、一緒に供養が行われます。その後、一定期間が過ぎると、さらに骨壺の遺骨を取り出し、他人の遺骨と一緒に埋葬されます。これを「合祀」といいます。先々のことを考えたなら、永代供養墓の方がよいかもしれませんが「親が亡くなってすぐに他人の遺骨と同じに供養するのは……」と躊躇される方も多いようです。そのような要望に合わせ他の人と同じスペースに骨壺を置くのではなく、一定期間だけ骨壺を個別の場所に納めるサービスもあります。ただし、一定期間後は、他人の遺骨と合祀されます。
なお、一定期間については、永代供養墓を管理する寺院や霊園ごとに異なり、個々に確認する必要があります。
【一般的な永代供養墓の相場】
・合葬墓
合葬墓は、他の人と同じスペースに骨壺を置くことになるため、最も管理の手間がかからない方法です。相場の目安も永代供養料や墓地使用料、納骨料、管理料を含め10万~30万円ほどとお手頃です。
・個別墓
通常のお墓と同じく、墓石を建てたり、樹木を目印にしたりします。墓石などの費用や区画料がかかります。相場の目安は50万~200万円ほどですが、個々の希望により、さらに費用がかかる場合があります。
●永代供養墓のメリット
永代供養墓には、以下のメリットがあります。
・永代供養墓の管理は寺院や霊園が行っており、個別にお墓の管理人を見つけなくていい
・おひとりさまの亡くなった親を永代供養墓に入れれば、お墓の掃除、草むしりが不要
●永代供養のデメリット
永代供養墓には、以下のデメリットがあります。
・永代供養墓のうち、合葬墓を選ぶと他人と一緒に供養するため、お墓参りした気持ちになれない
・永代供養墓のうち、個別墓にすると費用が高くなる
親から引き継いだお墓はどうするの?
「永代供養墓にしておこう」と決断しても、親から引き継いだお墓がある場合は、その前に「墓じまい」を済ませておく必要があります。墓じまいとは、今あるお墓に埋葬されている遺骨を取り出し、墓石を片付けることです。
墓じまいは、親から引き継いだお墓であったとしても、独断で進めるとトラブルになる場合があります。とくに、お墓に先祖代々の遺骨が納められている場合であれば、なおさらのこと、親戚縁者に丁寧な説明を行い、承認してもらうことが必要です。
子どもがいない世帯がお墓を引き継いだときは、自分が亡くなった後のことだけを考えるのでなく、お墓をどうしたら周囲に負担を掛けず、適切に管理できるかを考えましょう。