そんなときは、忘れず、現在加入している保険の契約内容の確認、必要に応じた見直しを行いましょう。今回は、50代のおひとりさまが、保険の見直しを行うときのポイントをまとめます。
保険の種類別での見直しポイントとは?
保険の種類別での見直しのポイントを以下にまとめます。●おひとりさまの生命保険見直しポイント:葬式費用を確認する
死亡したときに保険金が支払われる生命保険は、扶養家族がいる場合などに加入します。女性のおひとりさまは、お葬式代ぐらいは必要といって生命保険に加入していることも多くあります。実際、お葬式代といいながら、保障額が1000万~1500万円と高額な方もいます。お葬式にいくらかかるか分からないから、保障額を多めのもので契約しているというのが理由です。その際は、お葬式にかかる費用を確認することが大事なポイントです。
株式会社鎌倉新書が行った「お葬式に関する全国調査(2022年)第5回」によれば、葬儀にかかる費用の平均総額は「110万7000円」です。
コロナ禍前の平均総額「184万3000円」と比べると、約74万円も少なくなっています。葬儀規模の大きい一般葬が減少し、家族・親族が中心の家族葬が過半数を超えたことが理由です。
これらの数字をもとに考えると、生命保険の保障額は100万~200万円を目安に見直しをするとよいでしょう。
●おひとりさまの医療保険見直しポイント:終身型で一生涯保険料が変わらないタイプか確認
医療保険は病気、ケガで入院したとき、手術を受けたときに給付金がもらえる保険です。会社員であれば、もし入院やケガで長期間会社を休むことになり収入が得られない場合は、公的保険である健康保険から給料のおおよそ3分の2ほどの傷病手当金が通算1年6カ月にわたって受け取れます。病院に支払う医療費は公的保険の健康保険があるため、3割負担で済みます。さらに、医療費が高額になっても、1カ月のうちに医療費の自己負担が限度額を超えた分について払い戻しを受けられる高額療養費制度のおかげで、自己負担額は少なくて済みます。
「もし、病気になったら大変!」とばかりに、新しい医療保険を検討したり、保障内容を手厚くする特約などを追加したりすることがないよう注意しましょう。
医療保険の見直しポイントとしては、今加入している医療保険の保険料が、更新などで上がるタイプ(定期型)のものか、一生涯保険料が変わらないタイプ(終身型)のものかを確認することです。
前者は、10年ごと、5年ごとに保障は変わらず、保険料だけが上がります。30代、40代は病気リスクが低いため、そう気になりませんが、50代以降は、病気リスクが高くなるので、どんどん値上がりします。もし、定期型だったのであれば、終身型に見直しを行ってもよいでしょう。ただし、健康状態によっては、新しい保険の加入が難しいケースもありますので、注意しましょう。
●おひとりさまのがん保険見直しポイント:「がん診断給付金」の金額を確認
がん保険には、がんと診断されたときに「がん診断給付金」という一時金が支払われるタイプのものが多くあります。この一時金は、治療費に使うことができますが、それ以外の生活費を補填することもできます。使い道が制限されないという点で使い勝手がよい給付金です。
がんの治療も、会社員や公務員の方であれば、前述の医療保険でお話したものと同様の公的保険である健康保険からの様々な補助が受けられます。
しかし、がん治療には治療費以外にもさまざまな費用がかかります。
・副作用へのケアとして必要になるウィッグやスキンケア用品、着圧ソックス
・サプリメント費用
・差額ベッド代
また、がんの治療期間が長引くことがあれば、さまざまな費用が継続的に必要になるかもしれません。そんなとき、がん診断給付金があれば、貯金を大きく減らさずに済み、心強いといえます。
がん保険に加入されている方であれば、多くの場合「がん診断給付金」が付いていると思われます。保障内容の確認ポイントとしては、がん診断給付金の2回目以降の受取り条件です。
1回目のがん診断給付金は医師の診断確定があれば受け取れますが、2回目以降の診断給付金は、一定期間の経過が必要であったり、所定のがん治療を受けることが必要であったりなど、個々の保険商品によって条件が異なります。
加入時は、がんと診断されれば給付金が受取れるというだけで、細かな点まで気にする場合が少ないかもしれません。改めて、確認をしておくとよいでしょう。