もし親の介護費用を、子どもが代わりに支払うことになれば、子どもは大きな負担を強いられることになります。そんなときは、適切な制度を利用して介護費用をおさえることを考えましょう。
介護費用をおさえるための方法1:生計困難者等に対する利用者負担額軽減制度を利用する
生計困難者等に対する利用者負担額軽減制度とは、介護サービスを利用している人で、収入が少なく日常生活を送ることが困難という場合や、生活保護を受けている場合、お住まいの自治体に申請することで、介護保険サービス利用者負担額が軽減できる制度です。申請後、市区町村により「生計を立てることが困難」と認められれば、「生計困難者等に対する利用者負担額軽減確認証」が交付されます。
交付後は、介護サービスを利用するときに、確認証を提示することで、通常1割負担している介護サービス費用の利用者負担額の1/4が軽減できます。
ただし、介護サービスの利用者負担額がおさえられるのは、軽減できる介護サービス事業所のサービスです。該当する介護サービス事業所の確認は、市区町村へ問い合わせてみましょう。
参照:東京都福祉局「生計困難者等に対する利用者負担額軽減事業」
介護費用をおさえるための方法2:介護保険負担限度額認定制度を利用する
介護保険負担限度額認定制度とは、所得や預貯金の条件を満たした場合、お住まいの自治体に申請することで、介護保険施設を利用したときにかかる住居費や食費が軽減できる制度です。介護施設に長期的に入所するときだけではなく、ショートステイでも利用できるため、利用者にとってはメリットが大きいといえるのではないでしょうか。申請後、市区町村により、「一定の所得・預貯金の条件を満たしている」と認められれば、「介護保険負担限度額認定証」が交付されます。
介護保険負担限度額認定制度の認定には、所得や預貯金に応じて、以下の4区分があります。 実際の住居費や食費がどのくらいおさえられるのかは、区分ごと、施設の種類、部屋のタイプによって異なります。
●介護保険負担限度額認定制度の負担限度額
介護費用をおさえるための方法3:高額介護サービス費制度を利用する
高額介護サービス費とは、多くの介護保険サービスを受けている方が、1カ月あたりで自己負担額を超えてしまったとき、所得に応じて超過分を払い戻しが受けられる制度です。高額介護サービス費制度は、前述の制度のような自己申請は必要ありません。1カ月あたりの介護サービス費の自己負担額を超えたら、その3カ月後にお住まいの市区町村から払い戻しの通知と申請書が送られます。必要事項を記入して返信することで、手続きが完了します。介護サービスを利用した翌月の1日から2年以内が申請期限となっているため、早めに返信しましょう。
●高額介護サービス費の利用者負担上限額