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介護保険料を滞納したらどうなるの? 払えないときの対処法

もし、介護保険料を滞納してしまうことがあったら、どうなるのでしょうか。今回は、介護保険料を滞納した場合に設けられているペナルティーとその対処方法を紹介します。

舟本 美子

執筆者:舟本 美子

おひとりさまのお金・ペットのお金ガイド

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介護保険制度は、3年に1回見直しがあり、介護保険料の引き上げが続いています。

さまざまな事情で、もし、介護保険料を滞納してしまうことがあったら、どうなるのでしょうか。今回は、介護保険料を滞納した場合に設けられているペナルティーとその対処方法を紹介します。
介護保険料を滞納してしまったら?

介護保険料を滞納してしまったら?

介護保険料の納付方法

介護保険制度は、市町村と東京特別区が保険者となり運営している社会保険で、要支援・要介護認定を受けた場合に、介護サービスなどの保険給付を受ける制度です。介護保険への加入は40歳以上から始まります。介護保険の被保険者は、40~64歳までが第2号被保険者、65歳以上が第1号被保険者に分けられます。

●介護保険料の納付方法
介護保険料の納付方法について、加入している健康保険ごとに説明します。

《健康保険に加入している場合》
健康保険に加入している第1号被保険者・第2号被保険者が負担する介護保険料は、健康保険の保険料に含まれており、給料から天引き(特別徴収)されます。

《国民健康保険に加入している場合》
国民健康保険に加入している第1号被保険者・第2号被保険者が負担する介護保険料は、国民健康保険の保険料と一体になっています。第2号被保険者の介護保険料の支払いは、市町村から納付通知書が届き、被保険者自身が金融機関やコンビニエンスストアで支払います(普通徴収)。第1号被保険者の介護保険料の支払いは、年金の年額が18万円以上のときは特別徴収されますが、年額が18万円未満になると普通徴収になります。

《後期高齢者医療制度》
75歳以上になると、全ての第1号被保険者は後期高齢者医療制度に加入します。年金の年額が18万円以上のときは特別徴収されますが、年額が18万円未満になると普通徴収になります。

●介護保険料を滞納するのはどんなとき?
介護保険料を滞納するのは、以下の場合です。
・第1号被保険者は、年金額が18万円未満のとき。
・第2号被保険者は、国民健康保険に加入しているとき。
どちらも、給料や年金から天引き(特別徴収)ではなく、被保険者自らが支払う普通徴収の場合、滞納となるケースがあります。
 

介護保険料を滞納したときのペナルティー

介護保険料を滞納したときのペナルティーは、その期間ごとに設けられています。

《1年以上滞納》
介護サービスを受けた場合の費用の支払いは、一旦、全額自己負担しなければなりません。その後、申請を行えば、全額支払った費用の9割(または8割、7割)が返還となります。

《1年6カ月以上滞納》
介護サービスを受けた場合の支払いを全額自己負担して、その後申請を行っても、全額支払った費用の9割(または8割、7割)が一時差止めになります。さらに滞納が続けば、差し止められている保険給付額から滞納している保険料が差し引かれます。

《2年以上滞納》
滞納期間が2年以上になると、介護保険料の支払いが時効になり未納が確定します。つまり、2年分の未納保険料は、その後、納付できません。未納期間に応じて、一定期間の自己負担割合が1割または2割の人は3割に、3割の人は4割に引き上げられます。また、介護サービス利用額が一定以上になると受けられる軽減制度「高額介護サービス費」なども利用できません。

参照:東京都北区「介護保険料の滞納」

介護保険料の支払いが難しいときは自治体窓口に相談

もし、災害や経済的に窮する特別な理由ができて、保険料が納められない場合には、各自治体の条例に基づき、保険料の減免等が受けられます。

《介護保険料が減免除等になる主な要件》
・被保険者の属する世帯の主が震災、風水害、火災などの災害に遭い、住宅、家財などに損害を受けたとき
・被保険者の属する世帯の主が死亡、または心身に重大な障害などを受けて、収入が著しく減少したとき
・被保険者の属する世帯の主の収入が、事業または業務の休廃止、事業における著しい損失、失業等で著しく減少したとき

介護保険料が減免される要件については、自治体ごとに決まっています。上記のような出来事でお困りの場合は、お住いを管轄する自治体の介護保険課に問い合わせしましょう。
 
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