同じ姓の人物ばかりでこんがらがります……
Q.義時、時政…… 同じ姓の人物の暗記がこんがらがります。
同じ一族の人物が覚えられないという中学受験生のお悩み相談です。たしかに歴史上の人物については、「混乱する」というお悩みが出るのもいたし方ないところです（とはいえ筆者にいわせれば、ニドラン、ニドリーナ、ニドクイン、ニドリーノ、ニドキングなど、ポケモンの名前の方がよっぽど紛らわしいと思うのですが……）。さて今回は、昨年話題になったあの一族を例に解説したいと思います。
＜鎌倉執権家一覧＞
・初代 北条時政
・2代目 北条義時
・3代目 北条泰時
・4代目 北条経時
・5代目 北条時頼
・6代目 北条長時
・7代目 北条政村
・8代目 北条時宗
・9代目 北条貞時
・10代目 北条師時
・11代目 北条宗宣
・12代目 北条煕時
・13代目 北条基時
・14代目 北条高時
・15代目 北条貞顕
・16代目 北条守時
徳川将軍家より1人も多い16人！ しかも13人に「時」の字が……。とりあえず、実績を残していない人はカットしちゃいましょう。
すると、初代 北条時政、2代目 北条義時、3代目 北条泰時、5代目 北条時頼、8代目北条時宗の5人にしぼれました。
これに源頼朝の奥さんの北条政子と、戦国大名の北条早雲を加えても7人なので、何とか覚えられそうですね。
「エピソード記憶」だと暗記しやすく忘れにくい！
「エピソード記憶」とは、体験を通して得られる記憶のこと。何を経験したかだけでなく、そのときの状況や心理状態などさまざまな情報とセットのため、印象の強い出来事として記憶しやすく忘れにくいのが特徴です。ただし歴史上の出来事は体験することができないため、どうやって「エピソード記憶化」すればいいのかというと、ポイントは「追体験」です。追体験とは、他人の体験を小説や伝記などを通して、自分の体験としてとらえることです。
歴史上の人物も「北条義時」とか「北条早雲」といった単語として覚えてしまうと忘れやすくなるため、その人物に関する出来事などをからめて、エピソード記憶を活用しましょう。断然頭に入りやすくなります。
たとえば、昨年の大河ドラマの主人公・北条義時についてまとめてみましょう。
どうですか？ 敏腕政治家、戦略家としての北条義時の人物像が浮かび上がってくるでしょう。「鎌倉幕府の初代将軍源頼朝の奥さん北条政子の弟で、将軍を補佐する2代目執権として政治の実権を握り、源実朝が暗殺（義時黒幕説も）されたのち、後鳥羽上皇との間で起こった承久の乱では、幕府軍の総大将として朝廷軍を打ち破った。のちに息子の北条泰時に執権の位を譲る」
＞敵方のリーダーと恋に落ち、朝廷と幕府が対立したときには演説して全軍の士気を高めた女傑（じょけつ）は？
