中学受験

料理は“慶應や渋幕の入試”にも出る最高の学習教材だった!中学受験の理科に役立つ自由研究3選

受験勉強とどうバランスをとるべきか悩ましい夏休みの宿題も、工夫をすれば入試に十分役立つようにできます。今回は中学受験の理科の学習に役立つ自由研究テーマ3選をご紹介します。

宮本 毅

執筆者:宮本 毅

学習・受験ガイド

城ヶ崎海岸。すぐ近くにはスリル満点のつり橋も!

城ヶ崎海岸。すぐ近くにはスリル満点のつり橋も(筆者撮影)

夏休みの宿題は、中学受験生にとってなかなか厄介なもの。特に小学6年生は、受験勉強とどうバランスをとるべきか悩むところです。しかしそんな宿題も、工夫をすれば受験にも十分役立つようにできます。

たとえば読書感想文なら、重松清や辻村深月といった中学受験頻出の作家の本を読んだり、自由研究では、中学受験に出題されそうなテーマを研究したりすれば、入試に有利になるはず。

社会であれば、「徳川家康の全合戦」をまとめてみるのも面白いでしょう。静岡の浜松にウナギを食べに行きがてら、家康生涯最大の負け戦である「三方原古戦場」を見て帰ってくるのもいいですね。算数でしたら、「完全数」とか「友愛数」といった数にまつわる研究をしてみると、改めて約数や倍数の面白さや神秘性に気づき楽しいはず。

そんなたくさんあるアイデアの中から、今回は「理科」の学習に役立つ自由研究テーマを3選ご紹介します。
 

1. 伊豆半島の「世界ジオパーク」を訪れて地層や岩石についてまとめよう

「ジオパーク」とは、科学的に重要であると考えられる地層や景観を保全し、教育や観光などに活用するために、「国連教育科学文化機関(UNESCO)」や「日本ジオパーク委員会」が認定した地理的領域です。現在日本には、「世界ジオパーク」として認定された10地域を含む、46地域が登録されています。

東京に一番近い「世界ジオパーク」は伊豆半島です。東伊豆なら、リフトで山頂まで行ける美しい大室山や、火山から流れ出した溶岩流が五角形や六角形に固まった「柱状節理(ちゅうじょうせつり)」が見事な城ヶ崎海岸、「マール」と呼ばれる丸いくぼ地に水が入り込んだ一碧湖(いっぺきこ)が。西伊豆なら、駿河湾に突き出した一つ目玉の大瀬崎や、ダイナミックな景観の烏帽子山、日本の「青の洞窟」と呼ばれる堂ヶ島があります。また南伊豆なら、石廊崎(いろうざき)や恵比寿島、龍宮窟(りゅうぐうくつ)など見どころ満載です。
真鶴のトンボロ。干潮時にのみあらわれる

真鶴のトンボロ。普段は海によって隔てられている陸地と島が、干潮時には干上がった海底で繋がる現象(筆者撮影)

2泊3日ではとても回り切れないほどの観光スポットのため、ポイントを絞るのもいいでしょう。筆者のおすすめは、箱根ジオパークの真鶴半島で見られるトンボロと、東伊豆を組み合わせたコース。マイカーでならギリギリ日帰り旅行が可能です。
 

2. キャンプやグランピングと組み合わせて「天体観測」

本栖湖から富士山をのぞむ。光跡写真は案外カンタンに撮れます!

本栖湖からのぞむ富士山。光跡写真は案外簡単に撮れます(筆者撮影)

いま流行りのキャンプやグランピングに出かけて、バーベキューや川遊びの中に「天体観測」のプログラムを組み入れるのも良いアイデアです。

天体観測は「光害」といって、ほんのちょっとでも明るいと星空をうまく観測できないため、街灯がほとんどない山中や高原などに行かないと成立しません。また、少しでも雲がかかっていると星空を見ることができないため、非常にハードルが高いものです。しかしそのハードルの高さを逆手に取り、キャンプのプランに組み込んでしまえば、天体観測だけの計画を立てるよりもずっと楽なはず。

首都圏からそれほど遠くないところでも、キャンプ場と天体観測をセットで売り出しているところは結構あります。長野県や群馬県、山梨県などにはたくさんキャンプ場があり、中でも「ぐんま天文台」は、夜に入れる日があるのでおすすめです。埼玉県や千葉県、東京奥多摩地区にも意外とありますので、ぜひ探してみてください。
 

3. 食材断面積の図示は入試に頻出!? カレーを作りながら難関校対策

ナスカレーに入れるミニトマトとナス。全て家庭菜園で採れました!

ナスカレーに入れるミニトマトとナス。全て家庭菜園で採れました!(筆者撮影)

最後は、特に大がかりな準備などは必要ない、今日にでもさっそく実践できるアイデアです。お子さんと一緒にスーパーマーケットでカレーの材料を買いましょう。実は、定番の具材である牛肉とたまねぎ、じゃがいも、にんじんは全部、北海道が生産高第一位。

普段と違った味を楽しみたいなら、ナスやトマト、パプリカを入れてみるのもいいですね。実はじゃがいも、ナス、トマト、パプリカはみな「ナス科の植物」です。ブロッコリーを入れてもおいしいですが、あれって実は、花のつぼみなのです。

親子でこんな会話をしながら買い物をすれば、「理科」と同時に「地理」の勉強もできてしまいます。

そして家に帰ってからは、たまねぎやパプリカを縦に切ってその「断面図」を図示するのもいい体験です。過去に武蔵中や慶應普通部、鷗友学園や渋谷幕張中などで、食材の断面積を図示させる問題が出題されています。野菜を切る体験をしておくと、中学受験でいいことがありそうです。

近年の中学受験では、問題集をたくさん解いている子よりも、さまざまな体験をしている子が有利という傾向があります。「これ習ったことがある!」ではなく、「これやったことがある!」というものをどんどん増やしていけば、きっと優位に立てるでしょう。

せっかくの長い夏休み。さまざまな体験をして、一回りも二回りも大きく成長してください。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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