留学先で事件に巻き込まれることだけは避けたい |
32人もの学生が殺害され、29人が負傷し、そして犯人は自殺というアメリカの犯罪史上最も多い犠牲者を出した今回の事件は、これからアメリカに留学をしたいと考えている方にとっても少なからず影響を与えることになるかもしれません。
アメリカで銃による犠牲者は年間1万人以上
アメリカでは年間1万人以上が銃によって殺害されています。アメリカと同じような銃社会で、銃の所有率がアメリカよりも高いカナダでは銃による殺人事件が200件以下であることを考えると、いかにアメリカで銃の犠牲者が多いかが分かります。日本人にとって、アメリカが銃社会であるということを強烈に印象づけた事件は、1992年に起こった服部君射殺事件です。16歳の高校生だった服部剛丈君は高校の交換留学プログラムでルイジアナ州バトンルージュに留学していました。そして、ハロウィーンの最中に訪問する家を間違え、侵入者と間違えた家の人から銃で撃たれたのです。留学先として人気ナンバー1のアメリカにおいて、日本人留学生が殺されたこの事件は日本人だけでなくアメリカ社会にも大きな衝撃を与えました。
一方、アメリカにおいては、「銃は必要不可欠である」という意見が多いのも事実です。全米ライフル協会などの力が強いということも言えますが、自己防衛の意識が強いアメリカだからこそということも言えます。
学校での銃事件
過去にアメリカの学校で起こった事件として記憶に残っているのは、『ボウリング・フォー・コロンバイン』というタイトルで映画にもなった銃事件です。1999年、コロラド州にあるコロンバイン高校で、犯人である生徒2人が12人の生徒と1人の先生を射殺し、最後は自分たちも自殺をしたこの事件は、今回のバージニア工科大学での乱射事件が起こるまではアメリカ史上最悪の事件でした。その後に大学で起こった事件としては、2003年にオハイオ州のクリーブランドにあるケース・ウェスタン・リザーブ大学ビジネススクールに武装した男が侵入して銃を乱射し、1人が殺され、10人以上が負傷したということがありました。
学校で起こるこれらの銃による事件は、これからアメリカに留学しようと考えている方にとっても人事ではありません。
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