市場価値測定研究所の代表を務める藤田聰さん |
藤田さん自身、大学時代に1年間アメリカ留学の経験をお持ちで、その個人的な体験も交えながらお話をしていただきました。
ガイド:藤田さんの留学経験を教えてください。
藤田さん:私はアメリカ東海岸に位置するフィラデルフィア市にあるペンシルバニア大学に1985年から86年の1年間、学部留学をしました。1980年代はアメリカの社会学者であるエズラ・ヴォーゲル著“ジャパン・アズ・ナンバーワン”に象徴されるように、日本が経済的に最も礼賛された時代で、大学の研究室の先生からの推薦もあって、経営学の領域では先進的なアメリカに身を置き、学ぶことが良いだろうと判断して留学をしたのです。
ガイド:留学の効用は何だと思いますか?
藤田さん:留学の効用を一言で言えば、自立度が格段に高くなるということでしょうね。生活をするためには住居を探したり、銀行口座を開いたり、身の回りのことをまずは整えなければなりません。それに、日本と違って、言葉で表現しなければ外国人は相手にさえしてくれないということもあります。
特に、私が留学をしていたアメリカは人種の坩堝であり、日本人だけが特別ではなく、自己主張をしなければ生き残れないシビアな国です。そのため、人と接する際にも、主体的に目的を持って対するという基本的な姿勢が求められました。また、互助精神のように、困った時に誰かが手を差し伸べてくれるだろうという日本人的な幻想は持たない方がよいかもしれません。
次のページは留学することで身に付くビジネス能力についてです。