2023年7月現時点で、新型コロナウイルス感染症の水際対策は撤廃されており、出入国に関して特に規制はありません。なお、ギリシャ国内でマスク着用義務があるのは、病院やクリニックなどの医療機関や高齢者等の福祉施設のみで、メトロやバスなどの公共交通機関では着用義務は解除されています。
筆者が最近、国内外を旅行した際の印象では、他の欧州の国々に比べ、ギリシャでは高齢者を中心に公共交通機関で引き続きマスクを着用している人が多くいます。一方、屋外やレストラン、カフェ、博物館などで着用している人はかなり少数です。
「ギリシャのトイレ事情」 現地在住の筆者が解説
さて、ギリシャを訪れるときに気になるであろう「トイレ事情」について。まずトイレの男女別を案内するピクトグラムはわかりやすい表記となっています。
カフェやレストランでは、男女共用のトイレが一室というパターンも多め。基本的に利用は有料ではありませんし、清掃のスタッフがいてチップを支払わなくてはならないということもありません。
紙は流せないことが多いので要注意
また、首都アテネだけでなく、地方の村や島などでも、観光スポットやレストラン、カフェのトイレにトイレットペーパーがないということは滅多にないです。
水を流すときは、日本のようにタンク横にあるレバーハンドルを押すのではなく、タンクの上にあるボタンをかなり強めに押して流します。もしくはタンクの上辺りに壁付けの押すタイプのパネルがあることも。
注意点としては「紙はトイレに流せない」ということ。ギリシャの古い建物は排水管が細く、紙を流すと詰まりやすいので「紙を流さないで」と注意書きがあるトイレが大半です。新しい建物では流せる場合もありますが、基本的には便器の中ではなく、トイレの横に設置されているゴミ箱に捨てます。たいてい足で踏んでふたを開けるタイプの大きめのゴミ箱が置かれています。
時には便座がなくて“便器に直接座る”パターンも
続いてトイレの衛生面ですが、博物館などの観光スポットや、ホテル、レストラン、カフェなどのトイレは清掃が行き届いていて清潔なものが大半です。中には日本のトイレのように自動洗浄機能が備わったものもあります。
ただし、利用者はマナーのいい人ばかりというわけでないので、多くの人が使う場所のトイレは汚れていることも……。最近はだいぶ減ってきましたが、便座に座りたくない人が空気椅子状態で使用し、汚している場合があるからです。
筆者は除菌のできるウェットティッシュか手指消毒用アルコールジェルを持ち歩いており、外出時のトイレではまず便座を拭いて除菌することが多いです。
また、時には便座がなくて、便器に直に座るトイレもあります。少し抵抗感を覚えますので、やはり除菌グッズがあると安心でしょう。
地下鉄のトイレはテロ対策で施錠されている
使い方や衛生面がわかったところで、次に知っておきたいのは「トイレの場所」。旅行者が使いやすいのはやはり博物館やホテル、カフェ、レストランのトイレでしょう。メトロの各駅には、体調の悪い人や妊婦、子どもなどのためにはトイレが用意されていますが、普段はテロ防止のためにロックされているので、駅員に依頼して開けてもらう必要があり、気軽には利用できません。
飲食店ではトイレは地下、もしくは上の階にあることが多く、食事をとるスペースと同じ階にはないことがほとんどです。ファストフード店やカフェでは注文しなくてもトイレを使わせてもらえることが多いので、店員と目が合ったら、先にトイレを使わせてもらえるか聞いて、後で注文するという流れで問題ないでしょう。中心地の混雑する店舗ではレシートに記載されている番号が必要なシステムになっていることもあります。
ギリシャ語で「トイレはどこですか?」は何と言う?
最後にトイレ探しに役立つギリシャ語をお伝えしましょう。
まず、トイレは「トゥアレッタ(τουαλέτα)」です。レを強く発音します。
「トイレはどこにありますか?」と尋ねる際は、「プ イネ イ トゥアレッタ?(Πού είναι η τουαλέτα;)」と言ってみてください。
ギリシャは10年ほど前と比べると、特にコロナ禍を経て、公衆衛生意識、マナーは向上してきているので、あまり過度にトイレの心配をすることなく、旅を楽しめることと思います。