「Google Pixel Tablet」の端末スペックとデザイン
「Google Pixel Tablet」(画像出典:Google Japan Blog)
搭載SoCはGoogle独自開発の「Tensor G2」、メモリは8GB(LPDDR5)、ストレージはUFS3.1準拠、128GBまたは256GBから選択できます。ディスプレイはLCDで10.95インチ、解像度は2560×1600で276ppi、アスペクト比が16:10、最大輝度は500ニトです。USI 2.0タッチペンにも対応します。
スピーカーやスマートディスプレイとしても使える(画像出典:Google Japan Blog)
通信機能は、Wi-Fi6対応、Bluetooth 5.2、UWBを搭載します。GPSやモバイル通信は搭載していません。端末には4個のスピーカーを搭載。同じ4個のスピーカーを搭載するiPad Proのように、端末の向きに合わせて高音用と低音用にスピーカーを使い分ける機能があるのかは不明です。
本体カラーは、ディスプレイのベゼルがホワイトで背面がベージュの「Porcelain」、ベゼルがブラックで背面がモスグリーンの「Hazel」から選択できます。前面と背面の色分けや色使いが「Pixel」ファミリーだと感じられる要素です。
本体上部には、指紋認証を内蔵する電源ボタンと音量ボタンがあり、側面にはUSB-Cのコネクタがあります。
充電台とスピーカーが一体になったホルダー
次は、Pixel Tabletの特徴ともいえる「充電スピーカー ホルダー」を取り上げます。15W出力の充電器とスピーカーが一体になっています。充電スピーカー ホルダー(画像出典:store.google.com)
Hubモードに切り替わると、ディスプレイには現在の時刻や天気などが表示されます。また、対応スマート家電の操作に特化したホームパネルも使えるようになります。スマートホーム共通規格「Matter」に対応するかは不明ですが、対応していれば、家の中心に置いてスマート家電をコントロールするタブレットとして、理想的な存在になりそうです。
ホルダーにPixel Tabletを置いた様子(画像出典:Google Japan Blog)
端末とホルダーの固定には磁石が使われており、簡単かつ間違いなく固定できるようです。よってホルダーに置いたにもかかわらず、位置がずれて充電できていないトラブルもないはずです。
充電には、無線ではなく4ピンコネクターが使われます。このコネクターは、充電以外にもデータ伝送と音声出力にも使われます。音声がBluetooth接続ではないので音質は期待できそうです。
スピーカーは、43.5ミリのフルレンジスピーカーが1基搭載。音の奥行き感は期待できないかもしれませんが、端末搭載のスピーカーより4倍の低音が再生されるので迫力は期待できそうです。
価格は、もう少し頑張ってほしかった
発売日は6月20日(※ただし、予約済ユーザーには7月到着予定の案内が来ている模様)。価格は7万9800円から。アメリカでの価格は499米ドルからなので、1ドル約160円換算での価格設定です。この価格になると、タブレット界での圧倒的王座ともいえるiPadが選択肢として見えてきます。iPad Airは少し上の価格レンジですが、第10世代のiPadや第6世代iPad miniが購入できる価格です。
Pixel Tabletの差別化要因は、充電スピーカー ホルダーですが、スマートホームのコントローラーとして活用してこそです。例えば、筆者のようにAmazon Alexaでスマートホームを構築している場合は、Pixel Tabletをコントローラーとしては使えません。スピーカー付きの充電台としてしか機能しないのであれば正直なところ響きません。
メディア消費の端末として見れば、期待に応える端末だと思われますが、先を行くiPadシリーズはコンテンツを消費する端末を脱却して、生産性を高めるために使う端末として、外付けキーボードやペン等の周辺機器、そして、iPadOSまで包括的に最適化しています。Pixel Tablet搭載のAndroid 13はタブレット向けに最適化されていますが、周辺機器まで及んでおらずどうしても弱く見えます。
また、メディア消費の端末としては、2万円も出せば購入できる中国メーカーのAndroidタブレットが競合となります。Pixelブランドのプレミアム性と安心感を加味しても「価格は、もう少し頑張れることができなかったのか?」と感じるタブレットといえるでしょう。