「五月病」気味で仕事にやる気が出ない人こそぜひ試してほしいモチベUP術
転職活動をしているか、していないかに関わらず、職務経歴書や履歴書を作成してみることで、自分の現況がクリアに見えるようになる。自分を客観視することで自分は何ができて、何が足りないのか、それが分かるきっかけになる。また、現段階では転職の予定がない場合でも自分自身の経歴を振り返ることで、キャリアアップに挑戦してみようとやる気が増してくるかもしれない。
意外に効果のある、職務経歴書や履歴書の作成効果と書き方のポイントについて、人材コンサルタントが解説する。
所有する資格の具体的な活用法を書くことで、モチベーションUP
直近で転職活動の予定もないし、履歴書や職務経歴書に書けるほどの大した経歴もないと思っている人もいるかもしれない。しかし、そんな時こそ書いてみよう。ポイントは、所有する資格や経験が具体的にどう仕事に生きるかまでしっかりと認識することである。
例えば、簿記2級の資格を持つ人が履歴書の資格欄に「簿記2級」と書いているとしよう。それで簿記2級を十分にアピールできているかと言えば、そうでもない。日本商工会議所によれば、簿記2級を次のように説明している(※)。
簿記2級とは経営管理に役立つ知識として企業から最も求められる資格の1つであり、高度な商業簿記・工業簿記(原価計算を含む)を修得し、財務諸表の数字から経営内容を把握できるなど、企業活動や会計実務を踏まえ適切な処理や分析を行うために求められるレベルである。
これを参考にして、自分の職務経歴書に「簿記2級」をもっと具体的に反映させてみるのだ。例えばこのような具合だ。「財務諸表の数字から経営内容を把握するスキルがある」「企業活動や会計実務を踏まえ適切な処理や分析を行うスキルがある」
それほど自分の経歴に自信がなかった人でも、自分のスキルを具体的に認識し、職務経歴書にもこのような言葉を加えることができたら、少し自信が湧いてくるし、アピールにもなるだろう。
「転職活動」だからと難しく考える必要はない。例えばマッチングアプリの自己プロフィールに置き換えてみるとどうなるだろうか?
自己プロフィールに「趣味は旅行」と書く人は多いが、どこに旅行しているか、旅行先で何をしているのか、旅行の内容に具体性・独自性を出すことで相手への伝わり方は格段に向上する。旅行にもいろいろあり、既製のパッケージ旅行に参加しているだけの人と、自分でさまざまにユニークな旅行計画を立てて旅行している人とでは、相手に与える印象も大きく変わるだろう。
アピールのための「適切な表現・言葉遣い」で好感度をUP
また、自己PRを書くときに大切なことは、アピールしたい相手に対する好感度を最大化させるために「適切な言葉遣いや表現」を使うことだ。その言葉や表現が適切に使われていること、つまり相手にとって耳ざわりのいい言葉であることが必要である。例えば、個人の趣味や日常生活で使用しているブログやSNSではフレンドリーさを打ち出すことで読者は親近感を持ち、文章も読みやすくなり、自然と読者の好感度も増す。逆に、プライベートなSNSでも堅苦しい表現をしている人はとっつきにくい印象を与えるだろう。また、無意識のうちに、上から目線の表現や皮肉、批判的な表現を使っている人の印象はもちろん悪く、反感を買っている人も散見される。
履歴書でありがちな失敗例としては、自らの謙虚さをアピールしたいがゆえに、必要以上にへりくだった表現を使用してしまうことだ。この場合、実は相手に対して、自らの自信のなさを強調してしまうことになる。自分はよく人見知りをしてしまうであるとか、あまり人前で話すことが得意でないなど、謙遜や正直さのつもりで書いた表現は、履歴書の上では「本人の自信のなさ」としてマイナス評価につながってしまうことの方が多い。
転職成功やモチベーションUPのために「客観的な他者視点」を持つ
職務経歴書や履歴書作成のポイントは、自分がアピールしたいことが、相手に対して十分に届く内容になっているか。転職活動をする際に、以前作った同じ職務経歴書や履歴書をずっと使いまわしている人もいるが、もし書類選考の通過率が悪い場合は、明らかに職務経歴書や履歴書に原因がある。特に仕事内容が変わっていないから、というのが書き直さない人の言い分であるが、自分が書いた書類が面接官の心に響いていない原因に、書き直すことで気が付くことができる。面接官視点、いわゆる客観的な他者視点を持つことが転職成功のポイントであるし、他者視点のフォーカスが合うようになれば、現状の自分の課題が分かり、何を改善していけばよいのかも分かるようになる。
職務経歴書や履歴書を書くことで前向きに自己評価を見直し、やる気やモチベーションを上げていってはいかがだろうか。
<参考>
※商工会議所の検定試験