単なる「話題づくり」では終われない
タレントとの単なるキャラクター契約に留まらないビジネス契約では、一定の注意も必要です
今回のノウタスのケースでは、村上さんを事業開発担当として「知名度が低い日本国内の農作物の発掘やPR戦略、品種改良などのビジネス展開を考える業務に従事する」と、具体的に明示しています。
受ける芸能人サイドも、社員としての自覚と任された業務に対して求められる役割期待にしっかりと応える責任は求められます。契約先企業の本業であるビジネスに関わる以上は、遊び感覚や物珍しさだけで契約をすることのないよう、所属事務所もしっかりとタレント自身の認識を確認した上で契約を進める必要があるでしょう。
社外取締役としての契約や昇格もあるかもしれませんが、その場合には株主に対しても責任を負うことになります。何か損失を及ぼすようなことが起きたなら、善管注意義務違反として株主代表訴訟の対象となる可能性もあります。取締役ともなれば、生半可な気持ちでは受けられないという意識で臨む必要があると言えるでしょう。
ところで、村上さんはすでにノウタス社内のミーティングにも参加しているとのことで、意外に早い段階で担当する事業開発の役割で何らかの成果が見えてくるかもしれません。それが画期的なものであったなら、タレントの社員登用は一気にブームになることも考えられます。そのような観点からも、今回のノウタスと村上さんの社員契約は注目に値するでしょう。
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