楽天が大赤字の「モバイル事業」に固執するワケ
では楽天がなぜ、これほどまでに前途多難でグループの足を引っ張る事業に手を出し、それに固執し続けているのでしょうか。 そもそも楽天が第4のキャリアとしてモバイル事業に名乗りを上げたのは、この事業で大きな利益を得ようと思ってのことではありません。ECビジネスからスタートした楽天は、新規事業の立ち上げや企業買収によってそのビジネス領域を広げていきました。そしてポイントサービスやキャッシュレス決済をキーに利用者を楽天ビジネスに囲い込む、いわゆる「楽天経済圏」を完成させるための欠かせざる重要ピースとしてモバイル事業への進出を切望したのです。
ですから、とりあえずはモバイル事業単体で黒字化さえしてくれれば、あとはポイント付与などを誘引材料としてECビジネス、金融ビジネス、モバイルビジネスなどの間を回遊させ、グループとして大きな収益を生むことにつなげられるという目論見があるのです。
しかしここまでのところモバイル事業は先に挙げた三重苦に悩まされ、その黒字化は遥か彼方にあり、グループの足を引っ張るばかりという想定外の展開に苦しんでいるわけなのです。
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