大人になっても“もがき苦しむ”のは素敵なこと
――完成した映画をご覧になった感想は?玉城:自分が出ていないシーンの方が多かったので、普通にお客さんとして映画を楽しめました。私が演じた“猫顔の少女”がとても大切なポイントで登場するので「こんな素敵な登場の仕方をしていいのかな」って(笑)。
自分が出演している作品だけど、ずっと出ているわけではないので「あ、出てきた!」みたいな感じで(笑)。映画体験として新鮮でした。この年齢で観ることができてよかったです。 ――この年齢で観ることができてよかったというのは?
玉城:私、今年、26歳になるのですが、もう大人の年齢とはいえ、ギリギリ10代の頃のことを身近に思い出せる年齢でもあるんです。
あの頃には絶対に戻れないし、今はあの頃と同じ感覚は持ち合わせていないけど、大人としてはまだまだ未熟。そういう境目の年齢に来ている今、この映画で、成功しているのにすごくもがきながら生きている主人公の姿を見て「大人になっても、もがいていいんだ」と許しを得たような気持ちになれたんです。
脚本を読んだ時もそう思ったし、完成した映画を見て、さらにその思いが強くなりました。自分が信じる道であれば、そこに向かっていっていいんだと。その姿はとても素敵なものだと思いました。 ――主人公の深澤は、描きたい漫画と売れる漫画に大きなギャップを感じていて、その狭間で葛藤しますよね。そういうギャップを玉城さんは感じたことはありますか?
玉城:以前は、玉城ティナの商品イメージがあるから、それに沿っていかないといけないと思っていたんです。でも「私のイメージってなんだろう」と思って、周りの人に聞いてみたら見事にバラバラで。
だったら「イメージを壊さないように」と行動するのではなく、自分がいいと思うことをやって、みんながそれに興味を持ってくれたら……と思うようになりました。
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