映画

「大人になっても、もがき苦しんでいいんだ」 映画『零落』の重要人物・玉城ティナが気づいたこと

竹中直人監督の映画『零落』に出演している玉城ティナさんにインタビュー。モデルから俳優への転換期に考えていたこと、30歳までにやりたいことなど語っていただきました。

斎藤 香

執筆者:斎藤 香

映画ガイド

映画『零落』に出演、玉城ティナさんにインタビュー!

玉城ティナ

『零落』出演する玉城ティナさんにインタビュー

浅野いにお原作コミックの映画化作品『零落』で“猫顔の少女”の役で出演している玉城ティナさん。主人公の漫画家・深澤薫(斎藤工)と学生時代に知り合い、影響を与え続ける忘れられない少女を演じています。

玉城さんに役のこと、撮影のこと、俳優という仕事、そして今後についてなどお話を伺いました。
 

猫顔の少女は「忘れられない誰か」を呼び覚ます存在

――玉城さんが演じた“猫顔の少女”はとても印象深い役でしたが、原作、脚本を読んだ時のことについて教えてください。
 
玉城ティナさん(以下、玉城):最初に“猫顔の少女”の役と聞いたときは「なんだろう?」と思ったのですが(笑)、原作と脚本を読んで、名前がない人というのは、皆さんの記憶の中にもいるかもしれない「忘れられない人」なのかなと。

元カノや元カレ、初恋の人とか、今、隣にはいないけど、過ぎ去った記憶を呼び覚ますような存在が「猫顔の少女」なのかもしれないと思いました。
玉城ティナ

(C)2023 浅野いにお・小学館/「零落」製作委員会

――原作漫画通りの少女でしたね。
 
玉城:セリフも原作と大きく変わることなく、本当に原作をリスペクトしていると感じました。映画化するにあたって、原作を大切にしながら再構築している竹中直人監督の姿勢はとても好きでしたし、浅野いにおさんの漫画も大好きなので、この映画に参加できるのがうれしかったです。

――監督の竹中直人さんと仕事をするのは初めてですか?
 
玉城:初めてです。俳優としての竹中さんとは共演経験があるので、ユーモアがあって、たくさんお話ししてくれて、場を盛り上げてくださる方というのは知っていたのですが、監督としての竹中さんには、俳優の時とは違った緊張感を覚えました。でも「猫顔の少女の役にぴったりだ」とおっしゃってくださったので、その言葉を信じて監督について行きました。

>次ページ:映画を見て気づいた「大人になっても、もがいていいんだ」
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