花粉症対策として効果的なものには、
・空気清浄機の活用
・こまめな床掃除
・洗濯物の室内干し(もしくは乾燥機の活用)
・衣類スチーマーの活用
などが挙げられます。その中でも最も効果的なのが「空気清浄機の活用」です。今回は、花粉症対策に空気清浄機が有効な理由とおすすめモデルを紹介します。また、「空気清浄機の活用」以外の花粉症対策についても簡単に解説します。
空気清浄機の魅力って?
空気清浄機は花粉症対策にさまざまな点で効果的といえます。●花粉などの有害物質をフィルターで捕集
空気清浄機の大きなメリットは、有害物質を捕集できる点。大風量ファンで室内の空気を循環、高い粒子捕集率を誇る「HEPAフィルター」などを用いることで、さまざまな有害物質を捕集してくれます。
●空中に放出するイオンで花粉を抑制
国内メーカーはシャープの「プラズマクラスター」やパナソニックの「ナノイー/ナノイーX」、ダイキン工業の「アクティブプラズマイオン」など、独自のイオン放出機能を搭載しています。シャープとパナソニックは浮遊するウイルスや菌、花粉、アレル物質などの作用を抑制する効果をうたっており、一定の効果を期待できます。
●フィルターの手入れや交換も簡単で安心・安全
「国内大手メーカー」と「海外メーカー・国内中小メーカー」ではフィルターに対する考え方が異なります。
国内大手メーカーの場合、本体側面や背面などに配置した「プレフィルター」と呼ばれる部分を掃除する必要がある代わりに、フィルター交換10年不要をうたっています。フィルターを交換する手間やフィルター代がかからずに済むメリットがあります。
海外メーカーや国内中小メーカーの場合、半年から1年程度でフィルター交換が必要になることが多いです。掃除の手間はかからないものの、フィルターを購入しなければなりません。
どちらもちょっとした手間がかかるものの、難しいことは特にありません。フィルター交換時に有害物質が舞い散るということもあまりないので、安心して使うことができます。
●スマートフォン連携モデルなら空気の「見える化」も可能
各メーカーの上位機種に限られますが、Wi-Fi(無線LAN)機能を搭載することで、スマートフォンアプリと連携できるモデルも増えてきています。こうしたモデルの場合、スマートフォンアプリから室内の空気環境を見える化して確認できるようになっています。
メーカーによっては、時系列で空気環境の変化を確認できるものもありますので、「家族が帰宅したら悪化した」、「料理を始めたら悪化した」などという様子も手に取るように分かります。
従来の空気清浄機は「何となく効いている気がする、効いていてほしい」という、効果がなかなか可視化できない家電でした。しかしスマートフォン連携ができるようになり、効果が分かりやすくなっています。
花粉症対策におすすめのモデルとは?
花粉症対策におすすめの空気清浄機を4つ紹介します。
●花粉を独自の「ストリーマ」で無害化! ダイキン工業「加湿ストリーマ空気清浄機 MCK70Z」
ダイキン工業「加湿ストリーマ空気清浄機 MCK70Z」(画像出典:Amazon)
幅、奥行きともに約31.5cmと、比較的省スペース設置が可能なタワー型の加湿空気清浄機。空中で有害物質を抑制してくれる「アクティブプラズマイオン」の発生ユニットに加えて、プラズマ放電によって花粉などの有害物質を無害化する独自の「ストリーマ」技術を搭載しているのが大きな魅力です。撥水・撥油効果の高い素材を使用した独自の「TAFUフィルター(静電HEPAフィルター)」は10年交換不要で、ストリーマによってフィルターを除菌する機能も備えています。適用畳数の目安は~31畳(~51平方メートル)で、8畳の部屋を清浄できる目安は9分です。加湿量も700ml/時(適用床面積~31畳)とパワフルなのも魅力。スマートフォンアプリと連携し、遠隔操作や空気環境の見える化もできます。
●フィルター自動掃除機能でお手入れも簡単! シャープ「KI-RX75」
シャープ「KI-RX75」(画像出典:Amazon)
「3方向気流制御ルーバー」によって遠くまで風を届け、背面全体でパワフルに吸引する加湿空気清浄機です。一般的な国内大手メーカーの空気清浄機はプレフィルターの定期的な掃除が必要ですが、このモデルはプレフィルター自動掃除機能を搭載しており、12カ月後でも集じん性能を持続してくれるのが魅力です。お手入れはホコリがたまる抗菌ダストボックスを取り外してゴミを捨てるだけと簡単で、自動掃除を行う抗菌掃除ブラシを含め水洗いも可能。適用畳数の目安は~34畳(~56平方メートル)で、8畳の部屋を清浄できる目安は9分です。二層構造の加湿フィルターによって、加湿量は最大900ml/時(適用床面積~31畳)とかなりパワフルです。スマートフォンアプリと連携し、遠隔操作や空気環境の見える化、さらに空気環境の変化をグラフで確認することもできます。
パナソニック「F-VXV70」(画像出典:楽天)
花粉は空気中のさまざまな有害物質の中でも大きくて重いため、床にたまりやすいのが特徴。そこで床上30cm程度の高さからパワフルに吸引する「3Dフロー花粉撃退気流」を搭載するのがパナソニックの空気清浄機の特徴です。センサーが汚れの種類を見分けて、床上30cmにたまりがちな花粉などをパワフルに吸引する「ハウスダスト気流」、室内全体に漂う汚れを吸引する「PM2.5気流」、室内全体や上方に漂う小さな汚れを吸引する「ニオイ・けむり気流」と3種類の気流を自動で切り替えてくれる機能を備えています。ワンボタンで花粉対策ができる「花粉撃退運転」モードも搭載。適用畳数の目安は~31畳(~51平方メートル)で、8畳の部屋を清浄できる目安は9分です。加湿量は最大740ml/時(適用床面積~29畳)とこちらもパワフル。スマートフォンアプリと連携する機能を搭載していないのが残念ですが(上位モデルの「F-VXV90」には搭載)、花粉症対策としてはかなり魅力的なモデルです。
ブルーエア「DustMagnet 5410i」(画像出典:Amazon)
上下2カ所に吸引口を搭載する空気清浄機です。底面に設けられた吸引口は床上30cmの“ハウスダストゾーン”から吸引しやすくなっており、上部の吸引口は家具などに付着しやすい有害物質を素早く取り除けるようになっています。サイドテーブルとしても使える“ステルス家電”(家具などに見える家電のこと)のようなデザインも大きな特徴です。適用畳数の目安は~34畳(~56平方メートル)で、8畳の部屋を清浄できる目安は9分です。加湿機能は備えていませんが、スマートフォンアプリで遠隔操作や空気環境の見える化ができる機能を搭載しています。
「空気清浄機以外」で実践したい対策
最初に効果的な花粉症対策として以下のものを挙げましたので、これらについても簡単に説明しましょう。併せて、おすすめの家電も紹介します。・こまめな床掃除
・洗濯物の室内干し(もしくは乾燥機の活用)
・衣類スチーマーの活用
●床にたまりやすい花粉はこまめな床掃除で除去
花粉は直径30~40μm程度、黄砂は約4μm、PM2.5は2.5μm以下、ウイルスは約0.1μmと、ほかの有害物質に比べて花粉は圧倒的に大きくて重いため、床にたまりやすいのが特徴です。そのため、花粉症対策として「こまめな掃除機がけ」が有効。ですが、掃除機をかければ空気清浄機は不要というわけではないので、空気清浄機と組み合わせて室内の空気環境が向上するように努めるといいでしょう。
●洗濯物の室内干し(もしくは乾燥機の活用)で花粉の付着を防ぐ
花粉は一度飛散を開始すると空気中を飛び回るため、花粉症の人が洗濯物を外干しするのはおすすめできません。洗濯物は室内干しするか、ドラム式洗濯乾燥機の乾燥機能を活用するなどして、外に干さないようにするのが重要です。
衣類乾燥除湿機などを使うと室内干しでも素早く衣類を乾かせるので、花粉が舞わない季節は外干し、花粉の季節や雨の日は衣類乾燥除湿機といったように、日によって干し方を変えるのもおすすめです。
●衣類スチーマーを使えば花粉を無害化できる
ここ数年、衣類のシワを手軽に伸ばせる衣類スチーマーの普及が進んでいます。アイロン台を出すことなく衣類のシワをケアできるのが魅力ですが、もう一つ大きな特徴として「花粉対策」や「除菌・脱臭」ができることが挙げられます。約100℃のスチームで衣類をケアするため、スチームによって花粉やその他の有害物質を無害化でき、除菌・脱臭にも役立つのです。
効果があるのは衣類に付着した有害物質のみですが、シワ取りや除菌・脱臭もできるので、花粉症の症状がきつい人は衣類スチーマーも併用するといいでしょう。