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「ペットと一緒に暮らしたい」老人ホームのペット可物件はあるのか? 費用はどのくらい?

ペットを飼っている方の場合、高齢になっても「ペットも一緒に暮らせるところ」に住みたいはず。そこで今回は、老人ホームのペット可物件について紹介します。

舟本 美子

執筆者:舟本 美子

おひとりさまのお金・ペットのお金ガイド

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高齢になれば、自宅で生活するよりも老人ホームに入る方が安心と思うこともあるでしょう。そんなときペットを飼っている方の場合は、「ペットも一緒に暮らせるところ」に住みたいはずです。

今回は、いろんな種類の老人ホームの中で、「ペット可物件」の割合が比較的高い施設を紹介します。
高齢になってもペットと一緒に暮らしたい……!

高齢になってもペットと一緒に暮らしたい……!

老人ホームにはいろんな種類がある

老人ホームは「老人ホーム」と一括りに考えがちですが、その施設ごとの運営主体、サービス内容、費用などさまざまです。自分にあったものを探すときは、違いを知って、自分にあった施設を選ぶことが大切です。まずは、運営主体で分類し、11種類の施設を紹介します。

●国や地方自治体、社会福祉法人が運営する5種類の「公的介護保険施設」
国や地方自治体、社会福祉法人が運営する「公的介護保険施設」は、次の5種類があります。
・特別養護老人ホーム
・養護老人ホーム
・介護老人保健施設
・介護医療院
・ケアハウス

公的介護保険施設は、国の補助金などを受けて設立されており、社会福祉の観点から介護度の重い方、低所得者の方などを幅広く支援することを目的にしています。

公的な支援があるため、入居するときの費用が安いというメリットがあります。しかし、その分、入居するには順番待ちになってしまうことも多くあります。また、ペットと一緒に暮らせる「ペット可」サービスを行っている施設は、今のところほとんどありません。

●民間企業が運営する6種類の「民間介護施設」
民間企業が運営する「民間介護施設」は、次の6種類があります。
・介護付き有料老人ホーム
・住宅型有料老人ホーム
・健康型有料老人ホーム
・サービス付き高齢者向け住宅
・グループホーム
・シニア向け分譲マンション

民間介護施設は、民間が運営しているため、高齢者の持つニーズを満たすことに焦点が絞られます。高齢者が快適に過ごせるよう、多様なニーズに応えてくれるのがメリットです。高齢者の「ペットと一緒に暮らしたい」を叶える施設も徐々に増えつつあります。

しかし、きめ細やかなサービスには対価がつきもの。サービスの幅が広がれば、支払う費用の負担が増える点がデメリットといえます。

ペット可の割合が高い民間介護施設の紹介

先ほど挙げた6種類の民間介護施設どれもに「ペット可」のものがあります。今回は、その中でペット可の割合が高い施設である「サービス付き高齢者向け住宅」と「住宅型有料老人ホーム」をそれぞれ紹介します。

●民間介護施設の「ペット可」物件:サービス付き高齢者向け住宅
サービス付き高齢者向け住宅とは、高齢者単身・夫婦世帯が居住できる賃貸等の住まいをいいます。通常の賃貸住宅と同じく、外出制限はありません。プライバシーを守りながら自由度の高い生活を送ることができます。

入居者は、基本的に60歳以上で、介護保険での介護レベル「自立~要介護3」ほどの軽度の人が対象となっています。しかし、施設によっては「要介護4・5」などでも入居できるケースもあります。

《サービス内容》
基本的なサービスは、見守り、安否確認などですが、食事の提供、入浴等の介護(介護保険サービス除く)等の日常生活の支援など、さらに進んだサービスを提供してくれるものもあります。また、病院併設型のものもあり、何かあれば診察や処置を受けることもできます。

《入居時・月々の費用》
サービス付き高齢者向け住宅は、一般的な賃貸物件と同じような「賃貸借契約」となります。

入居時の費用は、「敷金」「入居一時金」「保証金」などがあり、0円から数百万円まで幅があります。月々の利用料金も7万円から60万円までの幅があります。食費が含まれない場合もあります。ただし、在宅介護サービスを受けることになれば、介護保険の自己負担額が上乗せになります。

参考:サービス付き高齢者向け住宅について | 介護事業所・生活関連情報検索「介護サービス情報公表システム」(厚生労働省)

●民間施設の「ペット可」物件:住宅型有料老人ホーム
住宅型有料老人ホームとは、施設スタッフによる食事・掃除などの生活支援サービスや見守りなどのサービスの提供がある高齢者単身・夫婦世帯向けの有料老人施設です。施設内で企画されるレクリエーションなどが豊富で、入居者同士の交流が盛んという特徴がありますが、その分、私生活が制限されます。

入居者は、60~65歳以上で、介護レベル「自立~要介護3」ほどの軽度の人が対象です。サービス付き高齢者向け住宅と同じく、施設によっては「要介護4・5」などでも入居できるケースもあります。

《サービス内容》
スタッフは、食事や清掃、買い物などの日常生活における支援、安否確認サービスなどを行います。病院併設型であれば、いつでも診察や処置を受けることができます。

《入居時・月々の費用》
住宅型有料老人ホームは、「利用権方式」で契約します。利用権方式とは、入居する際に「入居一時金」を支払うことで、施設の居室や共用設備の利用権、介護サービスや生活支援サービスの提供を受ける権利を得るというものです。

入居時一時金は、0円から数千万円まで、月々の利用料金は7万円から100万円までと大きな開きがあります。ただし、在宅介護サービスを受けることになれば、介護保険の自己負担額が上乗せになります。

まとめ

無数の老人ホームがありますが、その中でも「ペット可」物件は、民間企業が運営する施設のみと考えた方がよさそうです。身体が元気なうちに入居する場合であれば、サービス付き高齢者向け住宅が自由度も高くおすすめです。ペットとずっと一緒に暮らしたい場合は、早くから準備をしておくことが大切です。
 
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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