一戸建て・持ち家に住む筆者が老後の住まいについて考えたこと
子どもが独立すると、夫婦2人の生活になる方、1人暮らしになる方がいるでしょう。どちらの場合も子どもの独立は「住まい」について見直すベストタイミングです。筆者も、子どもの独立をきっかけに1人暮らしになりました。一戸建ての持ち家に住んでいますが、家族と会話するうちに自分にとって安心できる老後の住まいとは何か、について考え始めました。
今回は、老後の住まいを考える上でポイントとなることについてお伝えします。
一戸建ての持ち家に住んでいる人は老後に3つの選択肢がある
老後の住まいをどうするのか、子どもが独立するタイミングがないと、なかなか自分ごととしては考えられないものです。例えば、一戸建ての持ち家に住んでいる人は、老後の住まいを考える上で、3つの選択肢があるのではないでしょうか?選択肢1:住み続ける
選択肢2:処分する
選択肢3:持ち家を利用・活用できないか考える
それぞれの選択肢を選んだ場合、課題となるポイントについても考えてみます。
子どもが独立した後の住まいの見直し
選択肢1:住み続ける
一戸建ての持ち家に、子どもの独立後もそのまま住み続けるという選択です。住み続けるにしても、課題はあります。今後、メンテナンス費用やリフォーム費用などの大きなお金が必要になるかもしれません。場合によっては、数百万円かかることもあります。かかる費用について情報収集が必要です。できれば概算で見積もりしておくと安心です。また、高齢になったときには、介護のためのリフォームが必要になる可能性もあります。その場合、介護保険が適用され助成金が受け取れる場合があるので、元気なうちから申請手順の確認をしておくことも必要だと感じました。
選択肢2:処分する
一戸建ての処分を検討する場合は、そのタイミングもあわせて考える必要があります。今すぐ処分するのか? 10年後、15年後なのか、そのとき何歳になっているのか、など具体的な年齢で考えると検討しやすいです。処分にあたって、不動産屋さんのチラシや売却物件サイトなどで売却価格をチェックし、売却額を見積もりや、売却にかかる税金などを予測しておきたいところです。また、処分をした後の住まい選びもあわせて考えておきましょう。
売却後は、利便性のある駅の近くに住み替える、今まで住みたかった町へ移住する、子ども世帯の住まいの近くに住み替えなど、選択肢は広がります。最近では定額住み放題サービスを利用して特定の住まいは持たずに暮らす方法もあり、さまざまです。また、高齢者向けのマンションや介護付き有料老人ホームという手段も加えて検討すべきです。
いずれの場合も、今後の住まい方(所有、賃貸)と同時に、老後資金や希望の暮らし方にかかる生活費を考えた上で、売却を検討することになります。
選択肢3:持ち家を利用・活用できないか考える
子どもが独立した後、家を利用・活用、つまり「利活用」ができないかを考えてみることが3つ目の選択肢となります。自分も住み続けるのか、住み替えるのかによっても変わりますが、利用しない部屋がある場合は貸し出しをするなど「利活用」ができないかの検討もしてみましょう。シェアハウスのように一部屋を貸す、家の一部を店舗として貸し出しする、また家を建て替えてアパート経営をするという手段もあります。持ち家や土地を活用することで、老後に安定収入が見込めることもあるでしょう。
「あとは子どもに任せる」はNG
以上が3つの選択肢になります。老後の住まいについて考える際、自分の持ち家について「子どもたちにあとは任せる」「子どもたちの好きにしていいよ」という人がいます。親子双方が、他人任せにするのではなく、お互いの意見を聞いて課題を検討したほうがいいでしょう。筆者の場合、庭に柿の木が2本あり、子どもたちから私が手入れできない状態になったらどうするのか質問をされました。全く考えていなかったので、すぐに答えが出せませんでした。親の想いと今後の道筋をはっきりと示すべきであることを、改めて認識しました。
まとめ
老後の住まいについて考え始めたら、検討すべき課題が多数出てきたことに驚きが半分、そうだよねと頷く気持ち半分、といったところです。ただ確実に言えることは、子どもが巣立ったら、先延ばしにせず、人任せにせず、元気なうちから考え始め、何かしらの行動をとるべきだと実感しました。
それぞれのご家族や住んでいる地域で、検討すべき課題はまだまだあると思います。今回お伝えしたことを参考に「我が家の場合はどうするの?」を考えていただけたらうれしいです。