マネジメント

ユニクロが最大40%の賃上げ! 知っておくべき「給与引き上げ」のメリット、デメリットとそのからくり(2ページ目)

ユニクロを運営するファーストリテイリングが、2023年3月から国内従業員の年収を最大4割引き上げると発表しました。給与を上げることの企業のメリット、デメリットと、従業員の立場からも知っておくべき最近の給与上げの仕組みと考え方のポイントを解説します。

大関 暁夫

執筆者:大関 暁夫

組織マネジメントガイド

給与を引き上げるデメリットとは

一方で、もちろんデメリットもあります。最大のデメリットは月々の給与支払い増加による「固定費の増加」です。月々の給与はイコール生活給であり、一度昇給したものをむやみに下げることはできません。
給与を引き上げる最大のデメリットは、月々の給与支払い増加による「固定費の増加」です。

給与を引き上げる最大のデメリットは、月々の給与支払い増加による「固定費の増加」です。

労働基準法(※2)の一般的な解釈では、労使双方の合意がない場合、1年で支払給与を減額できる上限は10%までとされています(以下、10%ルール)。すなわち業績向上で給与を大幅に上げたものの、その後業績急降下があったとしても10%ルールの縛りによって、苦境下でも高固定費負担を強いられ自社の首を絞めかねないのです。

このような事情から、バブル経済崩壊後の低成長時代入り以降の日本企業は、社員への業績還元方法として引き下げが難しい“給与”ではなく、上下が容易な“賞与”で行う傾向が強くなり、日本企業の平均給与がなかなか上がらないという事態を招いたともいえます。

>次ページ:ファストリ「給与引き上げ」のからくり
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