話し方・伝え方

無意識の口癖「たった2文字」で人を不快に?言い換えフレーズ3選

会話の冒頭に「いや」と否定するのが口癖になっている人はいませんか? 無意識の「たった2文字」で人を不快にさせているのかも。口癖になってしまっている人は、どのように直していく? 言い換え例なども含めてご提案します。ぜひ参考にしてみてください。

藤田 尚弓

執筆者:藤田 尚弓

話し方・伝え方ガイド

たった2文字の口癖で人を不快にさせている?言い換えフレーズ3選

2文字の口癖「いや」

「いや」で話し始める人にもやもや……。

曖昧な言い方をする人に対して「それって、こういうこと?」と聞くと、「いや、違います」。手助けするための提案をすると「いや、大丈夫です」。雑談で同意を求めても「いや、そうじゃなくて」など……。

会話をするときに「いや」という一言をつけてから話す人、皆さんの周りにもいませんか? 本人は無意識のことが多いですが、実は地味に周りを不快にしているかもしれません。日常の無駄な軋轢を避ける、否定的なニュアンスを減らすための伝え方を解説します。

 
<目次>
 

悪気はなくても否定されたような気持ちにさせてしまう

問い掛けに「いや、〇〇です」という答え方をされると、私たちは否定されたような感情になりがちです。内容が他愛のないことであっても、否定されたというショックや不快感は心に残ります。

相手のことを気遣っているときや、こちらが仲良くしようと話しかけたときに「いや」と言われるときはショックが更に大きくなります。感謝されることを想定しているときに否定されると、その落差と驚きがダメージを大きくするからです。
 
しかし「いや」という言葉を頻繁に使う人は、自分が否定しているとは気づいておらず、悪気がないので何度も繰り返してしまうという悪循環にハマっている場合も少なくありません。
 

「いや」は方言? 受け取る側もあまり重く受け止めなくてOK

ネット上では、「いや」を多用するのは一種の方言で、否定の意味ではなく「あら」「えっと」などの意味で使っている人がいるということも話題になりました(※)。
 
もし周りに、やたらと否定してくるように感じさせる人がいた場合、「いや」を方言的に使っているだけかもしれない、と解釈し、あまり気にしないようにするのもおすすめです。

それでも気になる場合には、「もしかして『いや』が口癖になっている?」と聞いてみても良いかもしれません。誤解が解けたり、悪気なく不快にしていたことに気づいて直してくれたりする場合もあるでしょう。「『いや』は方言で、悪気はない」ということがネット上で話題になったのも、ある人が友人に指摘したことがきっかけでした。

しかし、なかなか指摘してくれる人はいませんので、知らず知らずのうちに周囲を不快にしてしまっている人もいるでしょう。自分が気づいていない否定のニュアンスで、人から距離をとられてしまっているという場合もあると考えられます。
 
もし自分に「いや」と言ってしまう口癖があることに気づいた場合、どのように改善すればよいのでしょうか。息継ぎや、会話のリズムをとるためのような役割で使っていた人は急にやめるのは難しいと思われます。そんなときにおすすめなのが、代わりの言葉を使うという方法です。
 

「いや」の言い換えフレーズ3選

「いや」という言葉を使わないようにするよりも、代わりの言葉を使うほうが会話のリズムなどは変えずに済むのでスムーズに実現できます。「いや」の代わりに使う言葉と、否定のニュアンスを和らげるためのフレーズを、以下に3つ提案します。

否定のニュアンスを和らげるフレーズは「いや」が口癖でない人も応用できますので、この機会に確認しておきましょう。部下や後輩に高圧的な印象を与えない話し方としても、参考にしてみてください。
 
(1)「んー」+「実は〇〇なんです」

×否定されているように感じやすいフレーズ 「いや、違います」
「いや」が否定のニュアンスを作るため、「違います」がより強めの否定に聞こえてしまいます。実際に違っている場合でも、もう少し柔らかい言い方に変えた方が相手に不快感を与えにくいでしょう。
 
〇否定のニュアンスを抑えたフレーズ 「んー、実は〇〇なんです」
冒頭に言いたくなる「いや」を「んー」に変えてみましょう。「違います」というフレーズも否定のニュアンスがあるので「〇〇なんです」に変換。「実は」を付けると、相手が間違ったことも当たり前であるように聞こえるので、相手のプライドを傷つけずに済みます。また、「実は」と言うことで「あなたには打ち明けます」というニュアンスも加わるので、相手との距離を縮める効果が期待できます。
 
(2)「わー」+「でも大丈夫です」
 
×否定されているように感じやすいフレーズ 「いや、大丈夫です」
せっかく相手が助けようとしてくれているときに「いや、大丈夫です」と言ってしまうと、せっかくの提案を否定するだけでなく、親切をバッサリと断るようなニュアンスになってしまいます。
 
〇否定のニュアンスを抑えたフレーズ 「わー、でも大丈夫です」
冒頭に言いたくなる「いや」を「わー」に変えてみましょう。相手が心配してくれたことに感動しているようなニュアンスが伝わります。続けて「でも大丈夫です」と伝えることで、相手の親切はうれしいけれど自分で頑張るといった気持ちを伝えることができます。ダメ押しで「気にしてくださってありがとうございます」と付け加えるのもおすすめです。
 
(3)「えーと」+「〇〇というよりは××なんです」
 
×否定されているように感じやすいフレーズ 「いや、そうじゃなくて」
「いや」で否定するだけでなく、「そうじゃなくて」で相手の間違いをストレートに指摘してしまうフレーズです。間違いの指摘は相手に気恥ずかしい思いをさせてしまうことがあるので、できるだけマイルドに伝えたいものです。
 
〇否定のニュアンスを抑えたフレーズ 「えーと、〇〇というよりは××なんです」
「えーと」を加えることで、自分が考えている最中であることを伝えられるので、断言するような強さを控えめにする効果が期待できます。「そうじゃない」とバッサリ指摘するのを避ける一言としては「〇〇というよりは」が便利。あからさまな間違いではなく、どちらかというと××であるというニュアンスを伝えることができるので、相手に恥ずかしい思いをさせずに済みます。
 
正しく伝えること、ストレートに伝えることも大切ですが、否定的な言い方をしなくてもいい場面は思っているより多いはず。感情を害さずに、気持ちを伝える思いやりは、知性やマナーとも言えるかもしれません。無駄な軋轢を避けるためにも、否定的なニュアンスを減らす伝え方を練習してみませんか。

<参考>
「なんで否定してくるわけ?」 「いや」で話し始める人に衝撃の事実(withnews)

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