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高揚感から10万円課金も?『ヒプノシスマイク』推し活女性が「課金沼」にハマる前に見直した家計術

「推し活」を楽しんでいる人に家計管理のポイントをインタビュー! 今回は『ヒプノシスマイク』を推して約2年の浅瀬さん(35歳/制作業/一人暮らし)にお話を伺いました。推し活をきっかけに芽生えたお金への意識の変化とは?

執筆者:All About 編集部

「推し活」を楽しんでいる人に家計管理のポイントをインタビュー! 今回は『ヒプノシスマイク』を推して約2年の浅瀬さん(35歳/制作業/一人暮らし)にお話を伺いました。
 

推し活をきっかけに「お金の管理」に目覚めた浅瀬さん

推し活ヒプマイ

 

あなたの推しを教えてください

『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』のシンジュク・ディビジョン“麻天狼”というチームを推しています。AKB48などを輩出しているキングレコードの音楽原作キャラクターラッププロジェクトです。

主に男性3人1組でチームを組んでラップバトルをするストーリーで、キャラクター自体は2次元であるものの、実際に多くの有名ラッパーやアーティストから提供を受けて楽曲をリリースしています

ディビジョンと呼ばれる区画にそれぞれチームがあり、現在はイケブクロ・ヨコハマ・シブヤ・シンジュク・オオサカ・ナゴヤの6チームで構成されています。それぞれの地域によって特色や個性が違い、そこが惹かれる魅力のひとつでもあります。

また、作中でラップバトルが開催されるのですが、その勝敗は実際のファン投票で順位が決まり、その結果が今後のストーリーや楽曲に反映される仕組みも魅力的。現実と2次元がリンクした没入感の高いジャンルだと感じています。
 

『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』にハマったきっかけは?

2020年10月のコロナ禍真っ只中、さまざまなイベントの自粛が続いていた時、暇つぶしで見ていた動画サイトでアニメ配信を見たことがきっかけです。

最初は声優さんやキャラクターのビジュアルから入りました。華やかなイメージを持っていましたが、知れば知るほど音楽性の高さ、ドラマティックで骨太なストーリー、バラエティーに富んだディビジョンの個性などに惹かれていき気付いたら沼にハマっていて……。もう少しで推し歴2年になります。もともと音楽が好きだったので、コアなアーティストさんから楽曲提供されている点も心を掴まれた理由のひとつです。
 

1年間の「推し活出費」はいくら?

2021年はラップバトルが開催されていたこともあり、主に投票券購入のため、1年間で約20万円の出費がありました。昨年は他の年より比較的出費が多かったです。

また、同作品から派生したソーシャルゲームでもイベントのランキング上位に入るため、10万円ほど課金しました。その分、2022年は控えめで月3000~1万円の範囲内で納めています。
 

推し活の中でいちばん出費の割合が大きいものは?

推し活ヒプマイ
ラップバトル時の投票券購入費の割合が大きいです。投票券はCDやライブ配信、現地ライブなどに1枚ずつ付いています。

バトル期間中は推しのグループを勝たせたい気持ちから一度に費やす金額が多く、昨年は資金操りに苦労しました。投票結果による勝敗の行方で今後の楽曲やストーリー展開が変わるので、ファンは真剣です。

中間発表の場も設けられており、期間中に自分の推しチームの順位を知ることができます。「あとどれぐらい投票すれば順位が上がるのか」が見えてくると投票も加速します。
 

なぜバトルにお金をかけるのですか?

バトル時の非日常感やお祭りムード、ファンの一体感、ユーザー参加型の熱いエンターテインメント性や高揚感は経験した人にしか分からない楽しさがあると感じています。同時に、私はバトルに参加しながらお金の使い方を見直していきました。
 

お金の使い方を見直そうと思った理由を教えてください

バトル中は通販を使ってクレジットカード決済で大量にCDを購入するなど、投票システムに参加したことで、これまでとは違ったお金の使い方をしたため、お金に対して「意識させられた」感じがあります。お金の付き合い方と向き合わざるを得なかった……という感じでしょうか。

理由その1:人生設計の見直しとバトル期間がほどよく重なったから
オタ活とは別の話題になりますが、ちょうどバトル期間中に「現職のまま制作技術職を続けていくか、転職して一般職になるか」という悩みを抱えていました。

最終的には、「今後もクリエイティブ業界に携わっていきたい」「推し活も止めずにずっと好きでいたい」という結論に到達し、この生活を続けていくならお金への意識を改め、計画的にお金を使っていかなければ!と思ったことが理由の一つです。

理由その2:普段からしっかり家計管理をしておけば、いざという時に使えるお金が増えるから
投票バトル中には数百万円という多額を投じているファンの人も見かけます。私が今回使える上限額は20万円だったのですが、「普段からお金に余裕があれば、もっと投票できたんじゃないかな」という実感もありました。

これが良いお金の使い方かどうかは人によって違うと思いますが、私はバトルを通して「何かやりたいと思った時に投資できるお金を増やしておきたい」という気持ちが芽生えました。

残念ながら、直近のバトルで、私が推しているチームは負けてしまったのですが、だからこそ「次は勝たせたい」と感じました。ハマってしまったからには仕方ないと腹を括り、「バトルにお金をかける」と決めて上限額を設けました。その上限額を増やしていくためにも、家計を見直しています。

推しているディビジョンを応援したい気持ちがモチベーションにつながっています。
 

上限額を決めていても、それ以上に使ってしまいたいと思う瞬間はありますか?

推し活ヒプマイ
正直なところ、ありますね(笑)。

例えば、ソーシャルゲームで自分が推しているディビジョンのイベントが開催された時のことです。ランキングで100位以内を目指して頑張っていたのですが、同じイベントを走っている同担の熱量や競争心に煽られて欲が出てしまい、当初の予定より10万円以上の課金をしてしまいいました……。その時の達成感や高揚感はなかなか得難い経験でしたが、その月の貯蓄分をほぼ使い切ってしまい、数カ月間、頭を悩ませていました。
 

後悔が達成感を上回りましたか?

半々ですね。イベントに夢中で取り組んだからこそ生まれたコミュニケーションもありましたし、ランキング上位を狙ったからつながれた同担もいて、そういううれしさはありました。

ただ、イベント期間中は、ずっとバトルのことが頭から離れず、少しでも順位が落ちるともっと頑張らなきゃ!という負の課金サイクルに陥っていました。「これ以上の課金はダメだと分かっているけど、この機会を逃したら今後この順位まではたどりづけない」という気持ちでやり切りました。

結果的に満足感を得て元に戻れた感じはあります。味をしめて課金沼に……とはならずに済んでよかったです。むしろソシャゲの課金の怖さを知り、反動で毎月の貯蓄額の割合が増え、ゲームの中でもアイテムを貯めるクセが付きました(笑)。

おかげで2022年はソシャゲではサブスクのみの課金で月3000円程度に抑えています。
 

オーバーした10万円はその後に影響を及ぼしましたか?

イベントに夢中になっている時はまだ家計簿をしっかりつけていなくて、アバウトな金銭感覚だったこともあり、「生活に困りはしないけど、貯蓄額が減ったなぁ」というふわっとした認識でした。たくさん使った感覚はあるけれど、それがどれぐらいの損失か、というところまでは考えていませんでした。

一人暮らしで、使えるお金も自由が利き、家計を切り詰めなくてもやっていけるだけに、意識が甘かった部分があります。でもこの課金でその意識の甘さに気付きました。
 

家計の見直しは何から始めましたか?

ヒプマイ女子
最初は投票バトルのメモ帳を作りました。購入したCDの枚数と金額を書き出すなど、推し活にいくら使っているのかを洗い出しました。そして、バトル期間中は「一枚でも多く購入したい!」と思っていたので、推し活以外の出費の中で削れるところはないかと探し始めました。そうして、だんだんと見直す生活費の幅を広げ、その後、先取り貯金とアプリ家計簿への帳簿を徹底しました。
 

削ってよかった支出は?

・食費
缶ジュースや缶コーヒーは、作業中はつい自動販売機で買ってしまうのですが、可視化すると結構な出費だと気付きました。今まで食事は外食やコンビニで買って済ませてしまうことも多かったのですが、「1日に使える食費」の金額が分かってきたので、スーパーで食材を買って自炊するようになりました。これで生活が結構変わりましたね。

・ランダムグッズ
ランダムグッズ商品はコスパが悪いので基本的に手を出していません。運良く推しキャラが当たればいいのですが、外れると処分に困りますし、推しに投資している感が薄いのであまり好きではないです。
 

家計を見直して変わったことはありますか?

家計の見直しをきっかけに「お金自体」に興味を持つようになりました。お金に対する興味がちょっとずつ沸いてきて、つみたてNISAについて調べたり、書籍を読んだり、といったことが増えてきました。オタク気質が発動して、ゲームミッションのような感覚でお金を貯めるのが楽しくなっていったんです。

また最近は、素人でも理解しやすいマネー動画も多いですし、All Aboutのマネープランクリニックも参考にしました。お金に関する情報を取り入れた結果、ストレス発散などの散財行為や衝動的なネットショッピングも減ったと感じます。

他にも、支払いにはデビットカードを使用するようにしています。クレジットカードはさまざまな場面で利用しやすく便利ですが、支払った感覚が薄く、気付かないうちに翌月の請求額が予算を超えることが多かったんです。なので、現在は必要最低限の利用にとどめて、普段はデビットカードを使用しています。
 

つみたてNISAを始めた理由は?

最初は株のイメージを持っていて、リターンもあるけどリスクが高い“ギャンブル”に近いサービスだと思っていましたが、よく調べてみたら堅実な投資法だと理解しました。

ただ、投資に重きを置くのは知識的にも経験値的にもまだ危ないなと思っているので、つみたてNISAに取り組むこと自体に意味を持たせています。増えたらうれしいですが、それよりは経験を積みたいんです。お金に対して今までと違ったアプローチをすることで、今後お金に対する経験値が上がるのではないかなと。取り組むうちに経済やお金の流れへの意識が高まり、そこからまた、貯蓄なり資産形成なりの道筋が生じるかもしれないという気持ちでいます。お金を学ぶための自己投資みたいな位置付けです。
 

今後「できればここまでお金をかけてみたい」という夢はありますか?

ヒプマイ女子

いつか目標の資金に達した時は、天井までCDタワーが積めるくらいお金をかけてみたいですね(笑)。私ひとりの影響は大きくないかもしれませんが、やはりラップバトル時の投票数を上げたいので。CDを買って投票するのは「ここに需要がある」というアピールにつながります。どれが当たるか分からないランダムグッズとは違い、推しディビジョンへの貢献に直結するんです。

バトルで優勝するとCDが発売されたり、ストーリーにもその結果が反映されたり、大きな影響があります。私は形のあるグッズよりは、推しの今後に関わる「燃料(CD)」にお金を使いたいです。

ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-は今年で5周年!
初のディビジョン別ライブなど5周年を彩る展開はこちらでご確認ください。

<イラスト>カンザキミナミ
<素材提供>キングレコード株式会社 アイディアファクトリー株式会社

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