節約

「夏に食中毒が出る家」がやっていること7つ。今すぐ見直したい「キッチンの習慣」

夏に起こりがちな食中毒。家庭でやりがちなNG行動と正しい対策を徹底解説します。食中毒菌を「つけない・増やさない・やっつける」ための基本を身に付け、毎日の食卓の安全を守りましょう。

矢野 きくの

矢野 きくの

節約・家事・100円ショップ ガイド

食育指導士

家事アドバイザー・節約アドバイザーとして、家事の効率化、家庭でできるSDGsを中心に、テレビ、講演、連載などで活動。 時短家事術、シニア家事のアドバイスをはじめ、「防災士」として家庭での備え、「食育指導士」の資格も持ち食品ロス削減をテーマにした講演など【著書】シンプルライフの節約リスト(講談社)他。

...続きを読む

ご家庭で料理を作るとき、衛生面には気を付けているつもりでも、無意識のうちに食中毒のリスクを高める行動をとっていませんか? 食中毒を引き起こす細菌やウイルスは、目に見えないからこそ「うっかり」から広がってしまいます。今回は、ついやりがちな注意すべき7つのシーンを取り上げ、「なぜダメなのか」という理由と「正しい対処法」を分かりやすく解説します。

今日からできる工夫ばかりなので、ぜひキッチンでの習慣を見直してみてくださいね。

シーン1:肉・魚と生野菜を同じまな板で続けて切っている

サラダなど生のまま食べる野菜と、加熱が必要な生肉・生魚を同じまな板で連続して切るのは大変危険です。生肉や生魚には、カンピロバクターやサルモネラ菌などの食中毒菌が付着していることがあります。肉や魚を切った後のまな板でそのままサラダの野菜を切ると、まな板を介して菌が野菜に移ってしまうのです。

【正しい習慣】

  • まな板を使い分ける:「肉・魚用」と「野菜・加熱済み食材用」でまな板を2枚用意し、色や素材で区別しましょう。
  • まな板シート(キッチンシート)を使う:まな板の上に使い捨てのまな板シートを敷いて切れば、使い終わったら捨てるだけでお手軽です。
  • しっかり洗浄・消毒:同じまな板を使う場合は、肉や魚を切った後に洗剤で丁寧に洗い、熱湯をかけるかアルコール消毒スプレーを吹きかけてから次の食材に移りましょう。

シーン2:肉や魚を触った手でそのままほかの調理をしている

食中毒予防 手洗い
調理中は頻繁に手を洗う習慣を付ける

生肉や生魚に触れた手で、そのまま調味料の容器を持ったり、ほかの食材を触ったりしていませんか? 手に付着した食中毒菌が、触れた全ての場所(調味料のボトル、包丁の柄、野菜など)に広がってしまいます。その手を介して食べ物に菌が付き、増殖することで食中毒の原因になります。

【正しい習慣】

  • こまめな手洗い:生肉や生魚を触ったら、一度作業の手を止め、石けんで爪や手首までしっかり洗いましょう。
  • 使い切り手袋の活用:肉の下味付けや魚の下処理時には、使い捨てのポリエチレン手袋などを着用するのがおすすめ。作業が終わったら手袋を裏返して捨てれば、手も汚れず安全です。

シーン3:買ってきた肉や魚のパックをそのまま冷蔵庫に入れている

スーパーで買ってきた肉や魚のパックを、そのまま冷蔵庫の棚に直置きしていませんか? 肉や魚のパックの表面や底面には、ラップのすき間から漏れ出たドリップが付着していることがあります。そのまま冷蔵庫に入れると、ドリップに含まれる菌が冷蔵庫の棚に付着したり、隣に置いてあるほかの食材に移ったりしてしまいます。

【正しい習慣】

  • ポリ袋に入れてから保存:店舗で買い物をした際、サッカー台(袋詰めコーナー)にあるポリ袋に肉や魚のパックを入れてからエコバッグへ、そしてそのまま冷蔵庫に入れましょう。

シーン4:エコバッグを洗わずに使い続けている

エコバッグを洗濯する
エコバッグは都度洗うか除菌シートで拭く

買い物の必需品であるエコバッグを洗濯していますか? エコバッグの中は、肉や魚のドリップ、野菜に付いた土、温かい総菜の湿気などがたまりやすい環境です。見た目はきれいに見えても、目に見えない菌が増殖している可能性があります。そのまま使い続けると、新しく買った食材に菌が付着してしまいます。

【正しい習慣】

  • 使用後は洗う:洗濯可能な布製やナイロン製のエコバッグを選び、使用後に丸洗いしましょう。
  • 除菌シートで拭く:毎回洗濯するのは手間がかかると感じる場合は、少なくとも毎回の使用後に除菌シートでしっかりと内側を拭きましょう。

シーン5:調理中に触る「スイッチや取っ手」を放置している

食中毒予防 除菌
調理周りのボタンや取っ手、調理台を除菌する習慣を付ける

調理中、何気なく触っている「家電のボタン」や「取っ手」の掃除を後回しにしていませんか? 特に以下の場所は、手に付いている菌が付着しやすいスポットです。

  • ガスコンロの点火スイッチ・IHコンロのスタートボタン
  • 電子レンジの扉の取っ手やボタン
  • 冷蔵庫の扉の取っ手
  • シンクの蛇口(水栓レバー)
  • 調理台

肉や生の魚を触った手で「レンジで温めよう」「冷蔵庫から調味料を出そう」と触ってしまうと、その場所に菌が移動します。家族や自分が後から掃除されていないその場所を触り、そのまま口に物を運ぶことで二次汚染を引き起こします。

【正しい習慣】

  • 調理後の拭き掃除を習慣に:片付けのタイミングに、除菌シートなどで触れた可能性のあるスイッチや取っ手をサッと拭き取る習慣を付けましょう。

シーン6:作った料理をそのまま常温で放置している

カレーや煮物、炒め物など、「後で食べるから」「冷ましてから冷蔵庫に入れよう」と、鍋のまま数時間常温に置いておくのは非常に危険です。

食中毒菌が最も活発に増殖する温度帯は20~50度(特に人間の体温に近い30~40度前後)といわれています。室温に放置しておくと、あっという間に菌が爆発的に増加。「ウエルシュ菌」や「黄色ブドウ球菌の毒素」などは、一度増殖してしまうと再加熱しても防ぐことができません。

【正しい習慣】

  • すぐに食べる:調理後は時間がたたないうちに早めに食べ切りましょう。
  • すぐ冷蔵庫に入れる:すぐに食べない場合は、常温で放置せず急速に冷まして冷蔵庫へ入れます。温かいまま入れると冷蔵庫内の温度が上がってしまうため、浅い容器に小分けにして氷水などで底を冷やし、冷めたら素早く冷蔵・冷凍保存してください。

シーン7:残り物を加熱せずに食べている

前日に作って冷蔵庫に入れておいた料理を、「冷たいままでもおいしいから」「一度加熱してあるから大丈夫」と、温め直さずに食べたりほんのり温める程度で済ませたりしていませんか? 冷蔵保存は「菌の増殖を遅らせる」効果はありますが、「菌を死滅させる」わけではありません。冷蔵庫の中でも少しずつ菌が増えている可能性があるため、時間がたった料理にはリスクが潜んでいます。

【正しい習慣】

  • 中心部までしっかり再加熱する:食べておなかに入る前に、中心部まで「75度で1分以上」を目安にしっかり加熱して菌をやっつけましょう。スープや煮物は全体がぐらぐらと沸騰するまでひと煮立ちさせます。
  • 食べる分だけ温め直す:鍋に残った料理全体を何度も温め直して冷ます工程を繰り返すと、料理が傷みやすくなります。食べる分だけ取り出して小分けに加熱するのが安全です。

今回ご紹介したポイントは、どれもちょっとした意識と工夫で今日から実践できるものばかりです。毎日のキッチン作業に正しい衛生習慣を取り入れて、家族みんなが安心しておいしく食べられる食卓を守っていきましょう。

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
【編集部おすすめの購入サイト】
Amazonで節約対策の書籍をチェック!楽天市場で節約関連の書籍をチェック!

あわせて読みたい

カテゴリー一覧

All Aboutサービス・メディア

All About公式SNS
日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
公式SNS一覧
© All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます