掛け流しが大切な理由
掛け流しは手段であり、泉質を楽しむ事こそが目的 |
最近になって掛け流しという言葉が、広く一般に通じるようになりました。これは非常に画期的なことです。それまでは、掛け流しの重要性を説き、理解してもらうだけで一苦労だったのが、それが当たり前になり、その先にある温泉に関して本当に大切な話を、いきなり始められるからです。
五感を総動員して温泉の泉質を楽しむこと、その重要性は既に述べた通りです。しかし、それには前提があって、温泉の湯が再利用されていないこと、掛け流しであることが必要なのです。
例えば、泡が付く温泉の場合、それが天然のものであれば、地下の地質の神秘に思いを馳せ、太古のロマンを感じることができます。しかし、温泉をろ過し再利用すれば、その泡も失われてしまうのです。循環後でも、すべすべ感など、いくつかの要素は残る場合がありますが、そうした人工的な手の加わった湯から、感得すべきことは少ないのです。
このように、温泉にとって泉質を楽しむ事が一大事であり、楽しみの中心であると考えれば、「掛け流し」の重要性は実に当然のことなのです。一方で、掛け流しはあくまで手段であり、目的は泉質を楽しむ事だということも、忘れてはなりません。
温泉の様々なタイプ
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他に、極端なタイプとして、野湯と呼ばれるものもあります。山奥で自然に湧いているだけのお湯に浸かろうというものです。有名な場所では立派な湯船のようになっている場合もあり、一般の温泉好きでも楽しめることもあります。しかし、山の知識や装備が必要な場所も多いので、野湯に精通した方と一緒に行くべきです。