これで完璧!温泉の基礎知識
「温泉」とは、厳密には温泉法に定義された基準を満たす湯のことです。しかし、これは狭義の温泉とでもいうべきものでしょう。
一般に温泉という場合に意味するものは、非常に広範囲です。温泉地や温泉宿の意味である場合があるのはもちろん、付近一帯の温泉、つまり温泉郷を意味する場合もあります。
「日本人は温泉好き」だと言われますが、この場合の温泉の意味が、お湯自体だけに留まらないのは明白でしょう。温泉地や温泉宿はもちろん、そこに存在する、独特の風情や文化まで含めて、私達は総合的に温泉が好きなのです。
このように、温泉という言葉の意味は広く、ある意味曖昧です。しかし、そこには実に奥深い内容と魅力が存在しているのです。
効能に代わって重視すべき泉質
誰でも常に確認できる、泉質の特徴に着目すると、温泉の本当の楽しみが見えてくる |
しかし、そうした温泉の効能を得るには、昔から七日ひとまわりで、三まわり、つまり21日以上かかるとされています。よって、一泊二日の通常の旅行者にとって、効能はあまり意味を持ちません。では短期間の旅行で、しかも健康な人には、温泉の湯の良さ、その地方独特の温泉の良さは何も感じないのでしょうか? もちろん、そんなことはありません。
確かに健康な人は、温泉で健康を回復することはできません。しかし、温泉の泉質は一定ではなく、千差万別です。健康な人には、その湯の特徴に着目し、楽しむという方法があるのです。お湯の色や泡付き、すべすべ感など、五感を総動員して温泉を楽しむ。本当の意味での温泉好きへの入口、本当の意味での温泉の楽しみは、まさにここにあるのです。