50代、約3~4人に1人が貯蓄額100万円未満
老後を間近に控える50代は、老後生活に向けて準備を始めるタイミングです。気になるのは、老後資金の準備状況ではないでしょうか。実態はどのようになっているか、確認してみましょう。金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」によると、50代世帯の金融資産保有額は、以下のとおりとなっています。なお、この調査における金融資産の定義は「将来に備えた貯蓄」で、世帯人数の平均は3人でした。
「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」グラフは筆者作成。同調査における金融資産の定義は「将来に備えた貯蓄」です。家庭内に保管されている現金、いわゆるタンス預金はこの中に含まれていません
また、「100万円未満」(9.1%)と「金融資産非保有」を合わせると、貯蓄額100万円未満の世帯が「36.5%」あることがわかります。
50代は一般的に、住宅ローンや教育費がかかる時期と言われています。「貯めたいけど、支出が多い……」という世帯が多いのかもしれません。
もちろんこの中には、50代のうちに住宅ローンの返済が終わったり、子どもが大学を卒業して教育費の支払いがひとまず終了となったり、という世帯があるかもしれません。もしそうであれば、その分を老後資金に回すことができるでしょう。
しかし、「教育費は60歳ギリギリまで必要になる」「住宅ローンは退職金で返済を予定している」という場合であれば、50代のうちに老後資金を貯めることは難しいかもしれません。
老後資金が少なければ、老後も働き続けることを考えましょう
このように50代のうちに老後資金を思うように貯められないと、「私の老後、どうなってしまうの?」と不安になるかもしれませんが、大丈夫です。貯蓄ができないなら、60歳を過ぎてもできるだけ長く働けるように50代のうちから考えておきましょう。その際「お金がないから、働かなくては……」という後ろ向きな気持ちではなく、「やりがいがある!」「この仕事やってみたかった!」など自分が納得する働き方・仕事ができればうれしいものです。長く働くことが必要だという自覚があれば、なおさら、自分が納得できる働き方・やりがいのある仕事を見つけたいと思うはずです。
50代のうちに働き続けようと決意しておけば、定年近くになって決めるより、多くの準備ができます。50代から、60代以降に向けて、自分らしい働き方をするために準備していきましょう。
自分が納得する働き方・仕事を見つけるために必要なこと
自分らしい働き方をするために必要なことを、紹介します。【1】健康管理をする
50代は、健康面でも揺らぎがちな時期となります。しかし、仕事を長く続けるには、健康であることがとても大事になります。健康を維持するためには、以下の3つが大切です。
・食事の管理を意識的に行う
・筋力が低下して足腰がヨボヨボにならないよう、無理なく継続できる運動を始める
・かかりつけ医を持ち、定期的に健康状態をチェック
【2】やりがいのある仕事に就くための勉強をする
50代までのキャリアが、60代以降の仕事に直結します。そのことを意識して、定年後にやりがいのある仕事に就く準備をする必要があります。具体的には、以下の2つに取り組んでみるといいのではないでしょうか。
・自分のキャリアの延長線上にある資格にチャレンジして、経験をカタチにする
・自分のキャリア全体を棚卸しして、アピールできる強みを探しておく
【3】現職を続けながら、副業を始めてみる
最近では、副業をしても大丈夫な企業が増えました。定年後、もし、未経験の分野を目指したいと思っているのであれば、現在の仕事のかたわらでチャレンジしたい分野の副業をしてみてはどうでしょう。副業をしてみると、以下のことに気が付くことができるのではないでしょうか。
・やりたい仕事であれば、主体的に取り組むことができる
・副業をすることで、新しいスキル習得ができるため、仕事の幅が広がる
・好きなことでも、向く・向かないの見極めができる
何歳になっても活き活きと働けるよう、必要だと思うことからトライしてみてください。
まとめ
50代でもし貯蓄が少なかったとしても、大丈夫です。元気なうちはしっかり働くぞという覚悟ができれば、前向きに仕事を探すことができるはずです。【関連記事をチェック!】
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