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仕事のモチベーションが一向に回復しない場合、どうする?

大きな環境の変化になじめず、職場で孤立し、モチベーションが低下する状況を「五月病」ということがある。一方、5月には不調を感じなかったがその後不調を感じ始めた人、もしくは5月に生じた不調がいまだ続いている人の症状を「六月病」という言葉で表すのも目にするようになってきた。5月、6月と仕事の不調が続く場合、7月以降どうしたらいいのだろう。人材コンサルタントが解説する。
 

他国と比較しても働きすぎの日本人

転職理由のひとつに「業務が忙しすぎるから」という理由をあげる人が一定数いるのは、とても日本らしいといえる。日本は、有給取得率が60%と、主要先進国(ドイツ、フランス、イタリア、イギリス、カナダなど)の80%前後と比較しても、休みを取らない傾向がある(※1)。

時間あたりの労働生産性の国際比較(※2)でも、先に挙げた先進国の中でも日本は最下位である。給料が上がらない日本の実情に関する報道が目立つ中で、気がつけば日本の一人当たり名目GDPは世界28位、同じアジアに位置する5位のシンガポールとは大きく水をあけられている(※3)。このままでは、世界第3の経済大国であったとしても、働き方の豊かさを追求する先進国の各種比較調査から外されてしまう日がそう遠くないうちに来てしまうかもしれない。

ゆとりのない働き方をする日本人の実態がクローズアップされるたびに、このような働き方を続けていることが、どのような精神的、そして身体的な影響を日本人にもたらしているのか、心配になる。日本人が他の国の人々と比較して特別にストレス耐性が強いわけもなく、やはり長時間労働や十分な休暇を取らないで働き続けることは、将来いろいろな形で不調をもたらすのではないか。
 

六月病の引き金とは

五月病とは、5月の大型連休明けに体調不良を起こし、モチベーションの急激な低下によって出社ができなくなるほど気持ちが落ち込む状態を指す(病として正式に名がついたものではない)。

5月に感じた不調は、その後どうなるか。環境に慣れることで改善される人もいることだろう。残業を減らし、休みも取れたことで体調が回復してモチベーションが回復する人もいる。良い相談相手に恵まれて、気持ちが晴れたという人もいるかもしれない。

一方、5月を過ぎれば五月病が話題になることも減る。夏に向けて、しばらくは国民の祝日もない。五月病で気持ちが落ち込んだ人にとって、実は6月からが本当の試練であることも多いのだ。最近では「六月病」という言葉を聞くことも増えてきた。

六月病は五月病が進行したものと、6月になって新たに発症するものの2種類があるとされる。後者の引き金として、特に注意したい状況が以下である。

(1)研修が終わり、各部署に配属された新入社員
同年代の仲間が周りからいなくなり、職場では世代が違う人ばかりに囲まれる。この配属後の変化にはストレスを感じる人が多い。

自分の仕事に忙しく、業務量も多くて長時間労働をしがちであるがゆえに、新しい社員に目をかけてくれる人はあまりいないというのが、忙しすぎる日本の職場の現状である。新入社員だけでなく、若手社員が他部署に異動した際にも、同様の現象が起きやすい。

(2)昇進して初めての管理職を経験する中堅世代
五月病が新社会人や環境の変化に順応しきれない若者が中心であることに比べて、六月病の場合、中堅社員も要注意といえる。中堅がゆえ、新社会人よりもストレス耐性がついているだけに発症が遅れるのと同時に、症状もその分重くなることが多い。

(3)その他
・夏のボーナスが減額、またはまったく出ないという知らせ
・梅雨時期の不安定な天候

ボーナスに関するマイナスなニュースが引き金になって、今の会社を辞めたいと、一気にそこに出口を見出す人も増える。6月の不安定な天候も、体調や心身のバランスに不調をきたすことを後押しする。

五月病ばかり注目されがちだが、実はこのように6月のほうがさまざまに不調の引き金があるとの見方もできるのである。

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