『神は見返りを求める』岸井ゆきのインタビュー!
映画『神は見返りを求める』は、『空白』の吉田恵輔監督の最新作。YouTuberとして活動を続けているものの、うまくいかないゆりちゃんこと川合優里(岸井ゆきの)と、彼女をサポートする“神”様みたいに優しい田母神尚樹(ムロツヨシ)の関係性の変化を描き、前半のラブストーリーから一転、後半は、ゾッとするような人間の闇が映し出されています。本作でゆりちゃんを演じた岸井ゆきのさんに、撮影の裏側、この作品に込めた思い、そして俳優としてのキャリアについてインタビューしました。
吉田恵輔監督作に出演する喜び!
―映画『神は見返りを求める』、とても面白かったです。YouTuberの裏側を垣間見た気持ちになりました。この作品のどのようなところに惹かれて出演を決めたのでしょうか?岸井ゆきのさん(以下、岸井)
吉田恵輔監督とは、以前『銀の匙 Silver Spoon』(2014)で一緒にお仕事をさせていただき、それ以来、私は吉田監督のファンなんです。吉田作品は全ておもしろくて「また吉田監督作に出たい!」とずっと思っていました。だから、この映画のオファーをいただいたときは、とてもうれしかったです。 ―最初に脚本を読まれたときのことを教えてください。
岸井
前半はゆりちゃんと田母神さんがふたりで、なかなかバズらないけど、ほのぼのと楽しい時間を過ごしていきます。「吉田監督、今回はキュートな作風なのかな」と思ったら、後半、やはり吉田節が炸裂して、すごかったです(笑)。
―確かに前半、あんなに仲がよかったふたりの関係が、後半、ねじれていって目が離せなくなりました。その田母神さんを演じたムロツヨシさんとは初共演なのですね。
岸井
はい。でも、ふたりとも吉田監督作への出演経験はあり、私は先ほどお話しした『銀の匙 Silver Spoon』、ムロさんは『ヒメアノ~ル』(2016)に出演されていました。
吉田監督は、同じ俳優を何度も起用しないといわれているのですが、ふたりとも「吉田監督作品に2度目の出演」というレアケースに。ムロさんは主演、私は助演というポジションで共演することができて、撮影がとても楽しみで仕方がありませんでした。
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