パワポで赤の多用はNG? プレゼン資料の配色
プレゼン資料のスライドづくりに役立つ色彩心理
多色ボールペンは、3色(黒・赤・青)もしくは、4色(黒・赤・青・緑)が定番となっているように、資料などを手書きする場合は、3~4色を使い分けるのが一般的です。白い紙に黒い文字を書き、重要な部分は赤、それなりに重要な部分は青、それ以外で強調したい部分は緑というように、色分けのルールを決めておくと、すっきりとした印象になります。
同じように、プレゼンテーションのスライドづくりも、色数を絞った方が、どの部分が重要なのかが直感的に伝わります。今回はプレゼン資料のスライドづくりを例に、色の効果的な使い方を見ていきましょう。
スライド背景の最適色は「白」。会場によっては「黒」が映える場合も
プレゼン資料のスライドを作成する場合、背景色は白にするのが一般的です。特に、スライドをプリントアウトする場合は、背景色を白にしておくとよいでしょう。
背景色はプレゼンを行う場所との相性もあります。会議室のような明るい部屋で行うときは、白い背景が適していますが、講演会のように暗めの会場では、黒い背景にすると、ドラマティックな印象を与えることができます。
オンライン会議は、アプリの背景色とプレゼン資料の背景色を同じ色にすると、画面が広く見えます。参加者が利用するデバイスによって見え方が異なりますが、すっきりとした見え方にしたいときは、背景色は白よりも黒の方が良いかもしれません。
背景色と文字色の明暗差を大きくすると“視認性”が高まり、読みやすい
背景色と文字色の明暗差を大きくすると、視認性が高くなる
スライドは遠くからでもよく読めることが大切です。視認性とは、知覚的な目立ち具合のこと。見ようとする対象と背景との明度差が大きいほど、視認性は高くなります。
白とダークグレー、黒とライトグレーにするとコントラストが和らぐ
背景色と文字色の組み合わせにおいて、最も視認性が高いのは、白と黒、もしくは、黒と白です。コントラストが強すぎると感じたときは、白とダークグレー、黒とライトグレーにするとよいでしょう。
強調部分に“赤”の多用は要注意? 「誘目性」を活用して注意を引く配色に
鮮やかな赤・オレンジ・黄色は、誘目性が高い
誘目性とは、特に注意を向けていない場合でも人の目を引きやすく、目立つ性質のことを指します。誘目性が高い色は、鮮やかな赤が代表ですが、黒を背景色とした場合、赤よりも黄色やオレンジの方が目立ちます。
目立ちすぎる場合は、濃い赤、ゴールドなどにするとよい
信号機の赤や黄色、店舗の看板などは、誘目性を高めることが大切ですが、プレゼンのスライドでは目立ちすぎることがあります。そのような場合は、濃い色にすると、注意を引きながらも、落ち着いた印象になります。PowerPointを利用する場合は、赤を濃い赤に、黄色をゴールドにするとよいでしょう。
「進出色」は、近づいて見える色。「後退色」は、遠ざかって見える色。
赤や黄色は進出色、青や青紫は後退色
色の違いによって、距離感が異なって見える現象が起こります。赤・オレンジ・黄色などは前に飛び出してくるようなイメージで、近づいて見えるため、進出色と呼ばれています。反対に、青・青紫・紫などは遠ざかって見えるため、後退色と呼ばれます。
PowerPointには、マーカーが用意されている
PowerPointを利用する場合は、マーカーを活用してみましょう。進出色の黄色や赤のマーカーを引くと、手前にあるように見えるのに対して、後退色のシアンや青のマーカーを引くと、奥に引っ込んで見えます。ネオンカラー(蛍光色)は特に目立ちやすいので、ここぞの場面で活用してみてはいかがでしょうか。
色によって“大きさ”が変わって見える。膨張色と収縮色の使い分け
明るい色(上3つ)は膨張色、暗い色(下3つ)は収縮色
同じ背景色(グレー)に同じ大きさの図(リンゴ)を置くと、明るい色の方が膨張して大きめに見えます。反対に、暗めの色は収縮して小さく見えますね。このように、同じ大きさでも色によって大きく見える場合と小さく見える場合があります。
PowerPointには、同系色の濃淡が用意されている
PowerPointのテーマカラーには、あらかじめ同系色の濃淡が用意されています。図やグラフなどでは、淡い色を主題色にして、強調したい部分を同系色の濃い色にすると、調和のとれた配色になります。
スライドの色づかいに迷ったときは、今回ご紹介した色彩心理の基本を活用してみてくださいね。
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