歌舞伎俳優の市川海老蔵が、2022年11月に「十三代目市川團十郎白猿」を襲名することが、松竹株式会社より発表されました(※1)。あわせて海老蔵の長男である堀越勸玄さんが「八代目市川新之助」を襲名します。
十三代目市川團十郎白猿襲名披露

歌舞伎座のイメージ

話題となっている襲名興行とは? また、「市川團十郎」というのはどういう名前で、どれほどすごいことなのでしょうか。襲名にまつわる数字を絡めつつ、説明します。
 

襲名とは、「名を受け継ぐこと」

そもそも襲名とはなんでしょうか。「親や師匠の名を継ぐこと」。また、襲名披露は「襲名したことを世間に知らしめるために催す会」(角川国語中辞典)とあります。

伝統芸能や茶道などの家元制度でも襲名はありますから、皆さんも耳にしたことはあるかと思いますが、特に歌舞伎では襲名披露が大きな行事となります。お知らせで簡単に済ませられるものから、歌舞伎座で数カ月にわたって行われるものもあり、家の格や人気で襲名披露の規模は変わってきます。

最近の大きな襲名披露としては、2018年、高麗屋の祖父、父、息子の三代同時襲名が話題となりました。なんと高麗屋は、1981年にも初代松本白鸚、九代目松本幸四郎、七代目市川染五郎の3人で同時襲名を行っており、史上初の2回続けての三代同時襲名に、大変盛り上がりました(2018年には九代目松本幸四郎改め二代目白鸚、七代目染五郎改め十代目幸四郎、四代目松本金太郎改め八代目市川染五郎)。
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2018年高麗屋三代襲名時ののぼり

高麗屋の例を見てもわかるように、大きな名前を持つ家では、幼少の時から3つの名前を持ちます。成田屋(市川團十郎家の屋号)では、幼少期が新之助、青年期が海老蔵、止め名が團十郎です。
 

2年半延期された襲名披露公演

久々のビッグな興行が今回の「十三代目市川團十郎白猿襲名」「八代目市川新之助初舞台」披露公演となります。

「あれ?新之助初舞台というけれど、たしか勸玄さんはすでに、歌舞伎座でデビューしていたはず」と思った人もいるかもしれません。本名で出た2015年の歌舞伎座の舞台は「初お目見え」と言います。今回「市川新之助」として出るのが、歌舞伎人生としての「初舞台」となります。

当初、2020年5月、6月、7月の襲名披露公演を皮切りに、全国各地で公演が行われる予定で、2019年に記者会見は行われました。ところが2020年からのコロナ禍により、襲名披露公演は延期。2年半を経て、満を持して襲名披露となります。

当初の予定より襲名披露公演の規模は小さくなりますが、コロナ禍とあっては致し方のないこと。それでも2カ月続きの公演では、大いに盛り上がることが予想されます。

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