会うと自慢話や愚痴ばかりのママ友……
義母に対して「早くあの世へ行ってほしい」などと愚痴ばかり話すママ友……
その中でも今回は「会話に困る」というお悩みにフォーカスを当てて、2つの事例を挙げながらアドバイスをしていきたいと思います。
<目次>
事例1:会うたびに「義母の愚痴」ばかりで心苦しく……
【相談内容】長男が4歳の頃、クラスで一緒だった子を通して仲良くなったママは、義理の母がやっかいな人で会うと愚痴ばかり。私も当時、義理の実家の敷地内で半同居のような状態だったため、「わかるわかる」などと言いながらうなずいたりしていました。
しかし実は、私の義理の母はとても育児に協力的。多少過干渉なところはありますが、それがありがたく思うこともあり、心底同感というのが心苦しくなってきました。実は義母と仲が良いということがいつの間にか他のママ友から漏れてしまって、気まずい思いをしました。
今は、そのママの義母も亡くなり、平穏な日々を過ごしているということを人づてに聞きましたが、極力会わないように送迎の時間をずらしたりしています。嘘や偽りはいつかばれるんだなと思いましたが、今回はバレて良かったと思っています。(相談者35歳・正社員)
アドバイス:愚痴には“賛成も反対もしない”
「ママの悩みはママ友に聞いてもらう」というのはよくあるケースですし、実際、同じような立場にいるからこそ分かってあげられることも多々あるでしょう。この方もきっと相手方のママが本当に義理のお母さまのことで悩んでいることが分かり、真摯になって悩みを聞いてあげていたのだと思われます。自分自身も半同居の状態だったため理解できるなという部分もあって、同調されていたのでしょう。でも実際には、義理のお母さまには感謝していることから、途中から愚痴を聞き続けるのが心苦しくなってきてしまったのですね。「ちょっと聞いてよ!」で始まる愚痴は、はじめはその人の立場を思いやるあまり、つい相手に合わせてしまうことがあります。初回に「そうだよね」と同調したのに、2回目で「いや違う」とも言えずに心が苦しくなってしまうのです。
私の育児相談室でママ友関係のお悩みを聞いてきた経験で言えるのは、愚痴を聞くときは初回が大事だということ。「そうだよね」よりも、「そうなんだ」が相槌として苦しくなりにくいということです。「そうだよね」は同調ですが、「そうなんだ」はその愚痴を受け止めているという状態だからです。
今回は身内に対してでしたが、もしこれが別のママ友Cさんに関する愚痴だったら、「そうだよね」「わかるわかる」と肯定したことが、人づてに伝わってしまっては目も当てられません。愚痴には、賛成も反対もしないというのが、後で自分が苦しくならない対応だと思います。
事例2:「自慢話」にうんざり、園の役員だから仲悪くもなれず……
旦那さんが大手航空会社に勤めているママ友はお金持ち自慢ばかり……
ママ友とは子どもが3歳の頃、幼稚園が一緒で仲良くなりました。その方は旦那さんが大手航空会社に勤めているらしく、とにかくお金持ち自慢をしてきます。幼稚園で役員などもしているために仲悪くなるわけにいかないと思い、自慢話をされても笑顔で「すごいね、うらやましい!」などと思ってもいないことを言う日々でとてもしんどかったです。
子どもがそれぞれ進級してクラスが離れたため、前よりも話す機会が減りました。関係は特に変わっておらず、顔を合わせれば普通ににこにこ話す関係ですが、少し前よりも距離ができてほっとしています。(相談者30歳・専業主婦)
アドバイス:自慢話には「承認欲求」を満たしてあげる気で!
日本人は謙遜を美とする文化のため、自分を褒められたり我が子を褒められたりしても、「そんなことない、たまたまラッキーだったの」「ダメなこともたくさんあるんだから」のようにポジティブな側面を過小評価する人の方が多いものです。しかし中にはこのケースのように自慢話ばかりしてしまう方もいるようですね。詳しくお聞きしないと分からない部分もありますが、こういう場合、そのご友人自身が「認めてもらいたい」という思い、いわゆる「承認欲求」が高まっているゆえの行動とも考えられます。つまり何かしらで満足できていないことがあったり、コンプレックスがあったりする反動で「私を認めて!」という思いが出てきて、それが自慢話につながってしまうという場合です。
本来、自分の生活が満ち足りていれば、わざわざ自分の置かれた状況を外にアピールせずとも済むはずなので、自慢話に困ったら、「あぁこの人はきっと自分のことを認めてもらいたいんだわ」という解釈をすると、少し違った温度で受け止められるかもしれません。
今回は、「ママ友同士の会話に困る」というお悩みについてアドバイスをお伝えしてきました。愚痴と自慢話、質的には大きく異なるものですが、どちらも相手を困らせてしまう可能性があることを示唆しています。会話に困ると自ずと人は離れていってしまうものなので、自分たちがそれを“する側”にならないよう気をつけていきたいですね。
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